30877 返信 ICTYの違法性についてRe:Erna Parisは帝国主義の手先 Re:『歴史の影――恥辱と贖罪の場所で』 URL 森永和彦 2004/11/17 18:18
ICTYの違法性についての説明です。
Statement Regarding the Illegitimacy of the ICTY
ICTYが国際法上の合法性を持たない「カンガルー法廷」であることはこの文書で十分に明らかにされていると思います。

> 旧ユーゴ領域における諸紛争・諸事件には長い歴史があり、複雑なので、とうていここに書くことはできませんが、ICTY設立・運営との関連で言えば、当時喧伝された「民族浄化」が欧米諸国によって「誇張」されたこと、ICTYが当初は一方的な逮捕と裁判しかできなかったこと、などの批判は当然できますし、私も講演などではそう指摘してきました。しかし、それを理由にICTYを否定するような暴論に加わるつもりはありません。エルデモビッチ事件、タディッチ事件、イェリシッチ事件、フォツア事件、セレビッチ事件、ラスヴァ事件等々の裁判とその判決によって、ICTYは国際法の世界で地位を確立しています。

ICTYを否定することは、「暴論」でも何でもなく、全世界の反帝国主義的・良心的法学者の声です。


> また、NATOのユーゴ爆撃が違法であり、それ自体が戦争犯罪であると私は考えていますが、NATOに対する非難をICTYに向けるのはナンセンスです。NATO側の戦争犯罪はそれとして裁くべきだという主張をするのが普通の考え方です。一方の戦争犯罪を理由に他方の戦争犯罪を免罪する議論は採用できません。

誰も「一方の戦争犯罪を理由に他方の戦争犯罪を免罪」せよと主張していません。ICTYに合法性がないと主張しているのです。この2つはまったく違うと思います。

また、カンガルー法廷の審理では、Слободан Милошевић (Slobodan Milošević)大統領の完勝は誰の目にも明らかになっています。しかし、この法廷の性格からいって、正しい判決(完全無罪判決)を下すことはできません。だから、被告人に任命されない「代理人」を押し付けるなどのとんでもない手段に出ようとしているのです。


> ミロシェヴィッチ裁判が「政治劇」と化しているのは検察側や裁判所側の不手際によりますが、もともと「国際政治」そのものなのです。政治権力を濫用して犯罪を犯し(これは私の政治的判断です)、政治権力をタテに裁判逃れをして、いまは法廷を認めないと称しながら出廷して自ら弁護権を行使している「政治劇」の主役は「政治的復讐」に直面するしかないのです。

ここはまったく意味不明です。Слободан Милошевић (Slobodan Milošević)大統領は、そもそもカンガルー法廷を認めていないのですから、「裁判逃れ」などと言われる筋合いはありません。頭がおかしくないかぎり、敵のインチキ法廷に自ら出廷する人はいないでしょう。

また、「法廷を認めないと称しながら出廷して自ら弁護権を行使」することのどこに問題があるのでしょうか。通常の裁判でも、「二段構え」の主張はよくあることです。たとえば、無罪を主張しながら、無罪の主張が認められなかった場合に備えて「量刑不当」を主張する、というような場合です。大統領は、ICTYを承認しないことを大前提としながら、ICTYの審理にも参加して弁護権を行使しているのです。

蛇足ながら、法廷での大統領の態度はきわめて立派であり、「真実の瞬間」という映画を思い起こさせます。


>法的に見れば「弁護権侵害」ですから当然批判できます。たとえどのように政治的な事件でも、被告人がいかに政治的に振る舞おうとも、法廷は弁護権を保障しなければならないのですから、批判の理屈はいくらでも並べることができます。しかし、問題の所在はそこではありません。だから著名な法律家のほとんどが署名していないのでしょう(私の尊敬するラムゼー・クラークさんやピーター・アーリンダさんは署名していますが)。


ここにあなたの限界が現れています。Ramsey Clarkを尊敬するといいながら、彼と同じように行動することができず、「公式の世界」から自らを断ち切ることができないのです。Ramsey Clarkのように、「公式の世界」との縁を切って、あらゆる誹謗を受けながら活動する勇気がないのです。

(余談ですが、Ramsey Clarkについては、ナチ戦犯を弁護したことなど、支持できない点もあります。)