| 31095 | 返信 | 再質問Re:ICTYの違法性についてRe:Erna Parisは帝国主義の手先 Re:『歴史の影――恥辱と贖罪の場所で』 | URL | 森永和彦 | 2004/11/24 06:16 | |
| で、Слободан Милошевич (Slobodan Milošević)大統領に対する「権力を使って裁判逃れ」という誹謗については、撤回されたと理解してよいのでしょうか? また、法廷の合法性を認めないことと、法廷で弁護権を行使することが矛盾しないことも理解していただけたのでしょうか? また、祖国の独立を守るため勇敢に戦ったМилошевич (Milošević)大統領を魔女狩り裁判から解放し、自由の身にするために、法学者としてどのような貢献をなさるつもりでしょうか? > ICTYの評価については諸説ありますが、国連安保理事会でも国連総会でも国際司法裁判所でも「違法」とは言われていません。国際司法裁判所はICTYを肯定しています。また、多くの国際法学者のテキストがICTY判決を合法な先例として引用しています。私の手元にあるだけでも10冊を越えるテキストがそうです。2つだけ示しておきます。 > > Antonio Cassese, Paola Gaeta & John R.W.D.Jones (ed.) The Rome Statute of the International Criminal Court: A Commentary, Volume1 & 2, Oxford,2002. > > 本書は2018ページという分厚さの、現在のところ国際刑事裁判所に関する最高の評価を得ている注釈書です。随所でICTY判決を肯定的に引用しています。 > > Knut Doermann, Elements of War Crimes under the Rome Statute of the International Criminal Court. ICRC, Cambridge,2002. > > 著者は国際赤十字の法律顧問です。本書は国際刑事裁判所規程のうちの「戦争犯罪」に限定してその成立要件を解説しています。戦争犯罪の成立要件について最も信頼されている著作といっていいものです。 > > 現在の国際法は帝国主義諸国の利害によってゆがめられた国際法ですから、さまざまに批判することができます。安保理事会それ自体(制度も実際の決議等の行動も)にも多大な疑問があることはいうまでもありません。しかし、国際法は、もともと理想の法でもなんでもなく、国家実行(慣行)を基礎に形成されてきたのですから、安保理事会・国連総会・国際司法裁判所・多数の国際法学者の意見が一致している以上、それが国際法なのであって、たとえ森永さんのお気に召さないとしても、「ICTYは違法」という主張は現行国際法の世界では残念ながら通用しないでしょう。 どうやら議論がすれ違っていたようです。前田さんは「現在、合法的と扱われているかどうか」について議論しており、私は「合法的と扱われるべきかどうか」について議論していたようです。では再質問します。帝国主義侵略者が設置した魔女狩り法廷は、合法と認められるべき存在なのでしょうか? > 「全世界の反帝国主義的・良心的法学者」ですか。オクスフォードやケンブリッジから出版されている本などは「帝国主義的」ということになるのでしょうか。 もちろん出版社が問題ではありません。私の本棚にもOxford大学出版の本が何冊もあります。Cambridgeは発見できませんが。 > 私は「反帝国主義」的な主張と活動をしてきた一人ですが、「反帝国主義的法学者」とは考えていません。たとえば、VAWW NET ジャパンが中心となって開催した「日本軍性奴隷制を裁く2000年女性国際戦犯法廷」は、帝国主義による戦争犯罪を徹底追及しましたが、同時にジェンダー観点を重視しています。ジェンダー観点から見れば、「反帝国主義的・良心的法学者」とやらの大半は「犯罪的主張を繰り返す法学者」かもしれません(私は1998年春の準備段階からずっとこの女性法廷にかかわっていました。なお、前田朗『民衆法廷の思想』現代人文社、2003年、第3章)。http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/ ジェンダー観点が悪いなどとは思いませんが、ジェンダー観点はあくまで反帝国主義に従属させられなくてはなりません。そうでないと、「女性の地位が高い西欧社会のほうが優れているから、イスラーム諸国は西欧化すべき」といった議論に落ち込んでしまうでしょう。 一部でもてはやされた「アフガーニスターン女性の革命的協会」など、ひどいものです。連中は「CIAフェミニスト」と呼ばれるべきでしょう。CIAフェミニストよりはターリバーンのほうがましでしょう。 > 私はクラークさんと一緒に活動させてもらっていますが、だからと言って、すべてクラークさんと同じ考えということでは、勿論ありません。それが私の「限界」なのでしょうか(笑)。 何もすべて一致すべきだなどと言っていません。しかし、Clarkは、メディアやリベラル知識人どもたちからの誹謗をおそれないだけの勇気をもっているという点が、あなたに勝っています。 > > (余談ですが、Ramsey Clarkについては、ナチ戦犯を弁護したことなど、支持できない点もあります。) > > > クラークさんが「ナチ戦犯を弁護したことなど、支持できない」というのは不思議ですね。弁護士がその職務としてナチ戦犯であっても弁護するのは当然のことです。刑事裁判における弁護人の役割を強調されている森永さんの言葉とは思えません。 なぜ主張を歪曲するのでしょうか。一般的な法的権利についてかたっているのではありません。 いかなる被告人であれ法的権利を持っているし、被告人の政治的主張にまったく同意できない場合でも弁護すべき場合もありえます。たとえば麻原裁判の弁護団のはたらきぶりは尊敬に値します。なぜなら彼らは刑事訴訟法を弁護しているからです。 しかし、麻原裁判と違って、ナチ戦犯はいくらでも弁護士を見つけることができたし、ナチ戦犯の法的権利がおびやかされていたとはいえません。証拠は圧倒的であったし、不公正な取り扱いがなされた事実もなく、弁護すべきものはなにもなかった。なぜClarkがあのような人物の弁護をする必要があったのか、まったく理解に苦しみます。 > それより、「反帝国主義的・良心的法学者」を称える森永さんは、クラークさんがかつてアメリカ司法長官であったこと、つまり「帝国主義の番頭」であったことをなぜ疑問視しないのでしょうか。 集会などで彼が登場すると、"ClarkはCOINTELPROの張本人だ!"とか非難する人がいますが、彼が「転向」していることは明らかですので、過去のことで非難すべきではないと思います。 ただナチ戦犯弁護の件については、自己批判があるまで指摘し続けます。 |
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