31145 返信 Re:「精神障害」をめぐる議論(ユーリのパパさんに質問) URL ユーリのパパ 2004/11/26 22:03
JUNEさんへ

> ユーリのパパ さん、レスが遅れててすみません。

 まあ、のんびりやりましょう。
 さて、わたしの投稿31077における説明は、できるだけわかりやすく書いたつもりですが、少し衒学的だったかな、と反省しています。もう一度、かみくだいて整理してみようと思います。

 問題となっているタイプの発言は、次のような形式をしています。

 (1)話し手は、「憐憫を禁じ得ない」という表現を使って相手を侮蔑している。
 (2)話し手は、その侮蔑している相手に「・・・」というレッテルを貼っている。

 この結果、

 (3)話し手は、「・・・」で指示される対象を、侮蔑している相手と同類だと主張していることになり、その対象も侮蔑している。

 ここで重要なのは、「・・・」に代入される語(普通は人を指す語)が何であっても、命題(3)が成り立つことです。したがって、次の2つが言えます。

 (A)命題(3)は、「・・・」の意味と関係なく成り立つ。
 (B)命題(3)は、話し手が「・・・」で指示される対象を侮蔑する意図を持っているかどうかとは関係なく成り立つ。

 わたしは前に、「・・・」の意味は本質的な重要性を持たない、と書きました。これは正確ではありません。正しくは、「・・・」の意味は関係ない、です。
 何人かの方は、この(A)(B)がどうしても理解できないようです。だから、この議論において relevant でない「精神障害とは何か」などというテーマに熱中するのです。

 具体例を考えましょう。
 「・・・」に入るのは、「精神障害(者)」「官僚」「サラリーマン」「主婦」「ホームレス」等々、何でもかまいません。
 それらを代入した(1)(2)の形式を持つ発言をすれば、(3)により、「精神障害(者)」「官僚」「サラリーマン」などを侮蔑していることになります。

 ただし、これがすべての場合に「差別」を意味するとは限らないことに注意しましょう。それぞれの人の立場により、侮蔑を受けることの重みが異なるからです。
 社会的な弱者や差別されている(されがちな)人々の場合は、当然、差別となります。「官僚」のような例は、差別とはなりません(「差別だ」と怒る官僚もいるかな?)。「サラリーマン」は微妙ですかね。

 次に、(1)において話し手が相手を侮蔑する「意図」について。
 前に書いたように、

 (C)「憐憫を禁じ得ない」と発言すれば、話し手が相手を侮蔑する意図を持っているかどうかとは関係なく、「侮蔑」という言語行為になる。

 これは、次のような例と同様です。
・「ありがとう」という発言は、話し手が相手に感謝の気持ちを持っているかどうかとは関係なく、「感謝」という言語行為です。
・「ごめんなさい」という発言は、話し手が相手に謝罪の気持ちを持っているかどうかとは関係なく、「謝罪」という言語行為です。 

 もちろん、文脈によっては、「ありがとう」が、ありがた迷惑だよ!という怒りの表明になることもあり得ます。
 「憐憫を禁じ得ない」が「侮蔑」にならないのは、JUNEさんが示したMさんとDさんの対話のような例ですね。
 というわけで、

> >水原さんは、論敵である毒芋虫さんに「憐憫を禁じ得ませんな」と発言しました。八木沢さんの投稿31094で明らかなように、この発言が、文脈から、相手に対する「貶め」「侮蔑」であることに疑問の余地はありません。誰でもそう判断できます。
>
> 今度は、ここで考え込んでしまっていて、まだうまくまとまらないのです。

 水原さんの発言は、「侮蔑」の典型的な例です。
 「自分に侮蔑する意図はなかった」という弁明は、(C)により無効です。
 「この文脈では侮蔑の意味にならない」という主張も、八木沢さんの投稿31094が発言の詳細な状況を明らかにしている以上、成り立ちません。

> それがですね、私の場合もっと遅くて、レスに一週間以上かかってしまうこともザラで ・・・・・ どうか気長におつきあいくださいませ。

 ゆっくりの方が、わたしもありがたいですよ。最近、仕事と育児でとても忙しいものですから・・・。