31202 返信 ある感想。上海さんへ。 URL 工藤猛(@cd.mbn.or.jp) 2004/11/30 11:21
ASEANという集まりがある。
東南アジア諸国連合だ。

加盟国(人口、加盟年)を紹介すると。
インドネシア (2億1596万人 67年)
フイリッピン (  8266万人 67年)
ベトナム   (  8222万人 95年)
タイ     (  6447万人 67年)
ミャンマー  (  5475万人 97年)
マレーシア  (  2567万人 67年)
カンボジア  (  1413万人 99年)
ラオス    (   576万人 97年)
シンガポール (   420万人 67年)
ブルネイ   (    37万人 84年)


5億5千万人の人口で6000億ドル強のGDPだ。
(アジアには13億人の中国もあれば10億人のインドも存在する。)
2003年のカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの一人当たり
国内総生産(GDP)は平均で332ドルだという。
所得はおしてしるべしだ。

アジアというのは貧しいなー。
中国大陸の労働者の平均賃金ですら年収で8万円程度だという。
貧しいなー。貧しいといっても北朝鮮以外はソコソコに国民は飢えないで
それなりの生活を楽しんでいる。電化製品に囲まれて携帯電話を操り
パソコンが家庭にあるからそれらの国々より精神的にも幸いであるかは
さだかではない。

さーーて、上海さん。これからなにを汲み取るか。

日本国にアジアから一人の労働者を招きいれるとどんな費用がかかるか。
旅費がかかるな。中国からだと年収分の旅費が必要かもしれない。
中国の農村で一人の小学生を一年間学ばせる費用はどれくらいだ。
日本国の物価水準、賃金水準で小学生一人を賄う予算は中国の
50倍か100倍か。
ベトナムと比較したら100倍か200倍か。
医療にかかる費用は。
日本国の水準を「保証」する費用は当該国で暮らす何十倍になるんだ。
総合的に見て100倍になるのだろうか。

視点を変えてみよう。
国民の福祉増進とはなんぞや。
費やした予算(血税)の費用に対する効果のほどは。

100万人、300万人やらの外国人労働者に費やす日本国内の費用があったのなら
当該出身国の1000万人とか3000万人の福祉を増進できるのでは
ないのだろうか。

小学校一校建築費は日本国では億単位になる。
中国では1000万円もかかるまい。
東南アジアでは何百万円かかるんだ。

移民や外国人労働力を「合理」的な範囲に制限し、
不法滞在者は日本国の費用で祖国に帰ってもらって
当該国の総合的な国民の福祉増進に貢献する経済援助を
強化したほうが相互にとっていいのではないのだろうか。

海外から労働者を移入して国民のなん%に達したら「軋轢」が増えるという
統計的な研究は成立するのだろうか。欧州を基準にして。

労働力は企業や行政体の当座の都合(需要)で導入して
条件や社会環境、経済事情が変わって「不用」になったら
はいさよならといって「ぽい」出来ないよな。
厳格な長期にわたる需要変動を見越しての海外労働力の移入政策が
必要だと思うよ。賃金水準の極端に安い国から来るのだから
山林維持労働力として100万人でもアジアから募集しようか。
過疎の山村農業維持のために50万人でもアジアから農民を募集するか。
徹底した企業利潤増加政策に徹して民営化された郵便局の日本人を首にして
郵便配達労働者をアジアから募集するか。日本人の賃金水準の何分の一かで。

労働者の収入源は賃金にある。当たり前のことだな。
日本人労働者の賃金水準と海外から導入される労働者数と
どのような関数で結ばれるのだ。海外からの労働者数が増加すれば
趨勢として日本人の賃金水準は増加傾向をたどるのか。
「企業」は日本人労働者の賃金水準を増加させるために海外の労働力を
 求めているのか。

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 世界には決済通貨として認められている通貨がある。紙幣がある。
 ユーロにドルに円だ。円があれば石油でもなんでも買える。
 日本国にとって都合のよい国際社会になっている。
 悪いことではないな。

 タイの国内総生産は日本円で16兆円くらいか。
 タイの人口を二倍にしたら日本の人口だ。
 日本国の国内総生産はタイの10倍を越える。
 経済力に注目すれば日本国はアジアの「帝国」だ。
 「帝国」には責任があるだろうな。
 海外労働力の日本国への導入だけが日本国の帝国としての責任を果たす
 道でもあるまいに。