31221 | 返信 | 「母語」という言葉の生まれた経緯 | URL | 水原文人@パラノイア | 2004/12/01 04:16 | |
>また「母語」問題でも私が薦めた社会言語学の専門家の著書も読まずそれこそ「壊れたテープレコーダー」みたいに同じことを繰り返している・・・・ (どう)しよう(も)ないさん…あなたが紹介したのは専門書ではなく社会問題に関する啓発を目的とした一般書ですし、そこで「母語」の定義はぜんぜん問題になってませんよ。一般語彙として、専門用語の「第1言語」の意味で使っているだけです。 著者本人の判断か編集者の判断か知らないけど、「第1言語」じゃ難しいから、一般語彙にしたんじゃないかしら? だいたい「母語」が一般語彙になったのもせいぜい90年代くらいからで、それまで英語で言うmother tongueの翻訳日本語はながらく「母国語」でした。あらゆる民族が必ずしも自分の国と言語を持っているわけじゃないことに島国日本人が、遅まきながら「国」を外したわけですね。 しかしその頃には英語ではmother tongueという政治的な色合いがつき易い言葉ではなく、native languageが使われるようになっていたという。 だいたい在日コリアンからすれば強制連行されたり差別して来たりした民族の言葉を「母」語なんて決めつけられては、先方は立つ瀬がない… で、あなたに何度説明しても理解できないらしい現代の国際的な常識としての民族の定義は、継承されている文化的伝統と共有の歴史ととくにその民族の言語が基礎となり、そして突き詰めれば決め手となるのは「自分が自分を何人と認識しているか(それを社会的に表明しているか)」です。だから「母」とか血統を示す言葉をnative languageないし第1言語の意味で使うことは、最近では避けられているんですよ。 人文系の学問的定義というのはね、時代の変化に即して更新されたりするものなの。 |
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