31268 返信 国士館大学蹴球部員への不当弾圧を許すな Re:性行動は個人の決定の領域。Re:某「むさくるしい」男の「恋愛の自由」観。 URL 森永和彦 2004/12/03 03:38
またもや、性的自己決定権を侵害する不当弾圧であり、それに屈服する無責任な大学当局・競技団体である。本当にいやになる。

報道を見てみよう。

<性的行為>国士舘大の学生十数人が少女に集団で

 国士舘大学(東京都)の男子学生十数人が未成年の少女に集団で性的行為をした疑いが強まり、警視庁少年育成課と町田署などは児童福祉法違反と東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕状を取った。1日にも強制捜査に乗り出し、容疑が固まり次第逮捕する方針。
 調べでは、男子学生らは今年6月ごろ、町田市内のアパートで少女にみだらな行為をした疑いが持たれている。
 少女の家族から相談を受け、警視庁で捜査していた。
 大学生の集団による性的事件としては、イベントサークル「スーパーフリー」(解散)の婦女暴行など男子学生による事件がたびたび起きていた。
 国士舘大では99年9月に剣道部寮で1年生の後輩男性に「ヤキ入れ」と称する暴行を加えて死なせたとして、東京地裁八王子支部は00年10月、元上級生に傷害致死罪で懲役3年の判決を言い渡していた。
(毎日新聞) - 12月1日9時55分更新


報道を見ても、容疑事実は「児童福祉法違反と東京都青少年健全育成条例違反」であり、強姦でも準強姦でも強制わいせつでもない。合意の上で性的行為を行ったということであろう。これのどこが悪いのだ。

イベントサークル「スーパーフリー」の事件は、準強姦罪での起訴である。つまり相手の意志に反して性的行為を強制したのだ。これが犯罪であることはあきらかであり、起訴・有罪は当然である。(量刑はともかくとして。)

一方、今回逮捕された国士館大学生は、合意の上で性的行為を行っただけだ。何が悪いのだ。

児童福祉法の規定は、保護者やそれに類する立場の人間が、少女を売春させることを禁止する趣旨のものであり、少女が自分の意志で性行することを規制する趣旨ではない。不当な拡大解釈である。「東京都青少年健全育成条例違反」については条文を確認していないが、いずれにせよ合意の上での性交を取り締まる不当な違憲立法である。

それにしても情けないのが大学当局の対応である。学生が不当逮捕されたのであるから、大学当局は学生の人権擁護のために努力をするのが当然である。にもかかわらず、大学当局は不当逮捕を少しも批判しないばかりか、蹴球部の活動停止というとんでもない「処分」を自ら申し出たとのことである。いったいどうなっているのだ。

国士館大学は警察と関係の深い大学で、多くの警察官が夜間部に在籍しているから、警察にいを唱えるようなことはしないということか。受験生のみなさんは、学生の人権を擁護しない警察大学などに入学してはならない。特に蹴球部から勧誘されている人は、「学生の不当逮捕に抗議しないような大学なんてまっぴらですよ」といって断るべきである。国士館以外にも蹴球部はたくさんある。

学生の人権を擁護しないのは国士館大学に限った話ではない。東京大学や早稲田大学の学生が大麻所持で逮捕されたが、大学当局は退学処分という不当処分を行ったと伝えられる。私は大学に「大麻取締法は違憲無効であり、大学当局は学生の人権を擁護せよ」との手紙を送ったが、返事はこなかった。日本の大学の人権意識はどうなっているのだ。