31623 | 返信 | Re:精神医学・医療と精神分析について | URL | Maris | 2004/12/23 08:00 | |
上海さん、こんにちは。 お久し振りです。 > パニック障害の一般的な原因とは、パニック発作が起こる時のメカニズムでしょうか?それともパニック障害という気質を有する場合の生理学的機構の事でしょうか? > どちらの場合も、よく判っていないのが現状です。ですから結局はセロトニンという神経伝達物質の発現状況をコントロールするという、対症療法が採用されます。 おっしゃるとおりです。原因はまだ分かっていませんが、パニック発作の メカニズムはほぼ解明されつつあります。 脳幹部の神経伝達物質(主にセロトニン)の代謝がうまく行かなくなるために 起きると言われています。 専門医が分かりやすい例えで説明していたので、それを拝借すれば、 「火災報知器の誤作動」という感じでしょうか。 つまり、火事でもないのに「火事だ!」と脳が指令を出してしまう為に、 身体がその危機的状態に対処する形になってしまうのです。 誰でも強い緊張状態に置かれると、動悸がしたり、呼吸が苦しくなったり、 冷や汗が出たり、血圧が変動したりするものですが、そういった状態が 緊張状態ではないのに起きてしまう訳です。 また、パニック発作を誘発しやすいものとしては、カフェイン、二酸化炭素、 乳酸があるとも指摘されています。 > Marrisさん、発作の時はどうやって苦痛をリリースするのですか? 発作の程度によりますね。 軽い場合は気をそらすことによって(たとえば、歌を歌うとか。(^^; いえ、別に声に出して歌わなくてもいいんですけれどね)発作を回避 できる場合もあります。 が、本格的な発作の場合はリリースすることはできません。 しかし、その発作も30分から長くて一時間くらいで収まります。 幸い私の場合は治療の効果があって、最近は強い発作はほとんど 起きなくなりました。 > そして、どのようなサポートがあれば「ラッキー!!」と思いますか? まず、専門医にかかっていない方には、専門医にかかることを 私はお勧めします。何はともあれ、発作が起きないようにすることが 第一歩だと思います。それにはどうしても薬物療法が必要でしょう。 幸い、十数年前にはなかったSSRI系の薬が認可されており、効果が ある場合が多いようです。 身近な人としてのサポートとしては、まず、慌てないことでしょうか。 激しい発作の場合は今にも死にそうに見えたり、また死ぬの生きるのと 口走ることもあるかもしれませんが、決して死にませんから、落ち着いて 静かな場所へ行き、座るか横になるかして発作が収まるのを待って いただけると助かります。 その際、どうして欲しいかは人それぞれですから、ご本人に聞いて みるのがいいでしょう。 一人になりたい人もいれば、逆に一緒に付き添っていて欲しい人も います。語りかけてもらって楽になる人もいれば、話すことが 負担な人もいます。ややこしいですね、すみません。(^^; また、一緒に居る人や、行かなければならない場所へ行けなくなること、 つまり、他者への迷惑を最も気にすることが多いので、その気持ちを 和らげる言動があるとありがたいでしょう。 そして何よりも、この病気への理解が望ましいと思います。 よく善意で「気のせいだよ」などとおっしゃったり、励ますつもりで 叱咤激励なさる方がいらっしゃいますが、大方は逆効果になります。 気の持ちようや根性で治るならば、医者はいりません。 また、かかる医療が精神科であることから、本人も通院を躊躇する場合が ままあるようですが、早期治療は早期回復に繋がりますから、 精神科へのネガティヴな「こだわり」が症状を悪化させる場合が 多いのが残念です。本人も回りも、そんな「こだわり」はポイして、 なるべく早く専門医にかかることが大切だと思います。 だって、風邪を引いたり骨折したりすれば医者に行くでしょう? それと同じではありませんか。 上海さん、関心を持っていただいて、ありがとうございます。m(_ _)m |
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