31729 返信 Re:我々のチラシ撒きの自由のために URL inti-sol 2004/12/27 22:14
おっちゃん

> 「警察の横暴」であるか否かは、現場でのAさんの言動など具体的なやりとりの状況によって決まります。

もちろん、それはそのとおりです。Aさんが、現場で抗議した相手に殴りかかったりしたら、逮捕されても当然ではあるでしょう。(もっとも、容疑の名称が住居侵入ではなくなるような気がしますが)では今回の件はどうだったのでしょう。
読売新聞
新聞受けに投かんした後、110番通報した住民から直接抗議を受け、「政治活動なので、あなたが入れてほしくないのなら入れない」と話していたという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041225ic24.htm

産経新聞
男は「迷惑だからやめろ」と住民から抗議され「正当な政治活動だ。入れてほしくないなら入れない」などと答えた。その直後、住民が携帯電話で警察に通報したという。マンションには「ビラ配布お断り」の注意書きがあった。
http://www.sankei.co.jp/news/041225/sha052.htm

朝日新聞
ビラの配布中にマンションの住人から「何をまいている、迷惑だからやめろ」と抗議された。男は「正当な政治活動だが、ビラを入れてほしくないなら入れない」と応じたという。
http://www.asahi.com/national/update/1226/001.html
などとなっています。抗議が先か110番が先か、多少の食い違いがありますが、いずれにしても逮捕されるような悪質な行為をAさんが行ったようには見えません。

> 少なくとも住民たちの合意によってビラ・チラシ配布を拒否する意思を表明している集合住宅内でのビラ配布行為は「正当な政治活動」ではありません。

tpknさんも指摘しておられますが、正当な政治活動ではない、ということと、逮捕されて当然であるということはイコールではありません。
そもそも、たとえ住民たちの合意によってビラ・チラシ配布を拒否する意思を表明していようとも、数多くのビラ・チラシが現に配布され続けていることは疑いのない事実です。その中で共産党のチラシだけが正当ではない、というのは、すでにおかしい。正当ではないのは、すべてのチラシが同じでしょう。正当ではない営業活動をしている宅配ピザ屋、正当ではない営業活動をしているマンション販売会社等々。
そして、正当ではないから逮捕と言うことであれば、共産党のチラシを配布するものだけが逮捕されるのは、これまたおかしい。

> そうでないとチラシ配布や訪問販売・勧誘なども「正当な営業活動」ということになって、住民(市民)はそれらを拒否することができなくなってしまいます。

現に、拒否できませんよ。私の家にも頻繁にチラシが配布されますが、拒否できません。まだ試していませんが、警察に逮捕要請をしたところで、動いてなどくれないことは確実です。「共産党のチラシ」「イラク反戦団体のチラシ」と言えば、ひょっとしたら逮捕してくれるのかもしれませんが、ピザ屋やマンション販売では逮捕してくれない。なにしろ、立川の例では警察自身が「自衛隊のイラク派兵に反対しているチラシはすし屋やピザや、風俗のチラシとはわけが違う。」ということを公言したわけですから。

参考までに、先の立川の反戦チラシ事件の第1審判決より抜粋
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(前略)
以上の事実に照らせば,被告人らの立ち入り行為は,暴力や騒音を伴うものではないのはもちろん,社会で一般にみられる,居室の玄関先まで訪れるのみならずインターホンを鳴らすなどして居住者を呼び出し,面談を求めるいわゆる訪問販売や各種勧誘行為,いきなり個々人に架電して応答を促す電話による勧誘等に比して,居住者に被らせる迷惑は少ないといってよい。加えて,前述のとおりテント村構成員が暴行,破壊活動等危険性の高い行為におよんだことはなく,立川宿舎居住者も過去にテント村構成員がかかる行動をしたという認識は抱いていないと認められること,ビラの内容に脅迫的言辞や応答の要求,個々の自衛官に対する誹謗,中傷は見られないことをも併せ考えれば,被告人らの立ち入り行為の態様自体は,立川宿舎の正常な管理及びその居住者の日常生活にほとんど実害をもたらさない,穏当なものといえる。
(中略)
立川宿舎の構造によれば,被告人らが立ち入った敷地内から各室玄関前に至るまでの部分は全て,そもそも居住者・管理者だけでなく郵便や宅配便の配達員といった外部の者も立ち入ることが予定されている共用部分であり,しかも,この部分については,これら定型に立ち入りが許容されている者以外でも容易に立ち入ることが可能である。そして,現に,1)敷地内には一般の歩行者が通行の便宜のために利用している箇所があり,2)集合郵便受けには,禁止事項の貼り札がされた前後を通じてテント村のビラの他にも商業的宣伝ビラが投函されていた.さらに,3)各室玄関ドア新聞受けにも,少なくとも禁止事項の貼り札がされる以前には商業的宣伝ビラが投函されており,禁止事項の貼り札がされた後ですら,宗教の勧誘を目的とする部外者が居室玄関ドア前まで来て居住者に面会を求めたこともあった.それゆえ,居住者及び管理者においても,関係者以外の者が同宿舎敷地内に立ち入り,場合によっては各室玄関前まで至ることは十分に予期していたはずである。
以上の点に照らせば,被告人らの本件立ち入り行為が居住者のプライバシーを侵害する程度は相当に低いものとみるべきである.
(中略)
当時,同宿舎においては,敷地出入口の鉄製フェンス又は金網フェンス及び1号棟ないし8号棟の各1階階段出入口の掲示板に,管理者の名義で,「宿舎地域内の禁止事項」を列挙した貼り札が貼ってあり,禁止事項中には,「関係者以外,地域内に立ち入ること」,「ビラ貼り・配り等の宣伝活動」が明記されていた。
しかしながら,出入ロフェンスの貼り札は,高さ1.5メートルから1.6メートル程度のフェンスに貼られたA3板の大きさで,さほど目に付きやすいものとはいい難い。各棟1階階投出入口掲示板の貼り札に至っては,同掲示板には催し物の案内や宿舎内の安全対策といった掲示物もあり,同掲示板は主として居住者への連絡用に用いられていることが一見して明らかといえ,通常,居住者等関係者以外の者はあまり気に留めないと思料される.禁止事項の貼り札が他の掲示物に紛れてかなり目につきにくいと思われる箇所も少なからず見受けられるところである.さらに,一部の貼り札は,平成15年12月中旬に貼られた後,平成16年2月3日までの間にはがれ落ちていた。このように,上記貼り札はそもそも注意を喚起し易いものではないが,のみならず,貼り札の内容には,禁止事項に反した場合の処置や警告については一切書かれておらず,一般のマンションやアパート等の共同住宅出入口付近などに散見される立ち入り禁止の表示と特に変わったところはない。そうした共同住宅においても,しばしば立入禁止の表示に反して,集合郵便受けや玄関ドア郵便受けに商業的宣伝ビラ,時にはいかがわしい内容が記載されたいわゆるピンクチラシが投函されていることもあるが,おおむね放置されているのが現状である。
以上の諸点に照らせば,禁止事項の貼り札は,外見上,立ち入り禁止につきさほど強い警告を与えるものとはいえず(現に,前述のとおり,部外者が宗教の勧誘のために玄関ドアまで来たのは貼り札が貼られた後のことである.),この貼り札の存在が,被告人らに対して,直ちに,ビラ投函のための立ち入り行為が許されないとの認識を与えるものとはいえない。
(中略)
被告人らが立川宿舎に立ち入った動機は正当なものといえ,その態様も相当性を逸脱したものとはいえない。結果として生じた居住者及び管理者の法益の侵害も極めて軽微なものに過ぎない。
さらに,被告人らによるビラの投函自体は,憲法21条1項の保障する政治的表現活動の一態様であり,民主主義社会の根幹を成すものとして,同法22 条1項により保障されると解される営業活動の一類型である商業的宣伝ビラの投函に比して,いわゆる優越的地位が認められている。そして,被告人らの本件ビラ配布と同様の態様でなされた商業的宣伝ビラの投函に伴う立ち入り行為が何ら刑事責任を問われずに放置されていることに照らすと,被告人らの各立ち入り行為につき,従前長きにわたり同種の行為を不問に付してきた経緯がありながら,防衛庁ないし自衛隊又は警察からテント村に対する正式な抗議や警告といった事前連格なしに,いきなり検挙して刑事責任を問うことは,憲法21条1項の趣旨に照らして疑問の余地なしとしない。
以上,諸般の事情に照らせば,被告人らが立川宿舎に立ち入った行為は,法秩序全体の見地からして,刑事罰に処するに値する程度の違法性があるものとは認められないというべきである。
(後略)
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判決文のソースは
http://homepage2.nifty.com/osawa-yutaka/heiwa-iraku-dannatu-hanketu.htm