31867 返信 Re:中国特需と対米自立 URL inti-sol 2005/01/03 15:26
訂正版です

帽子屋さん

中国が日本に依存しているのか、日本が中国に依存しているのか。私の考えは、お互いがお互いに依存し合っている、ということです。それに対して帽子屋さんは日本が中国に対して一方的に依存していると主張したいようです。
しかしそれはどうでしょうか。

> 商品流動からみれば、中国の欧米依存、アジアの中国依存は歴然です。だからこそ、中国はアジアにFTA締結を打診し、日本がうろたえるはめになったのです。

一口にアジアと言ってもASEAN諸国と日本では置かれている状況や経済環境は違います。

> そもそも、中国の対欧米輸出を起点に、アジア諸国(含む日本)の中間財対中国輸出をまねきよせている「中国特需」の構造上、商品流動からみれば、中国の欧米依存、アジアの中国依存は歴然です。

これは、「中国特需」の部分だけを見ておっしゃっているとしか思えません。日中貿易は、基本的に日本の輸入超過です。2000年以降、我が国の対中輸出が急拡大して、それが「中国特需」となったわけですが、それでも依然として対中貿易は日本のに輸入超過です。日本の対中貿易収支は2004年上半期に輸出350億ドル・輸入437億ドルで、差し引き87億ドルの赤字です。
日中間の貿易関係の推移はこのPDFファイル参照
※ この統計には香港経由の貿易がおそらく含まれておらず、それを考慮に入れた貿易収支では赤字がほとんどないか、ひょっとして黒字の可能性もありますが、ともかく日本が一方的に中国への輸出に「依存している」という関係ではないことは間違いありません。

しかも、中国の対日輸出の主な品目は、上記資料によると依然として衣類など繊維製品75億ドル・事務用機器57億ドル・音響映像機器26億ドル・魚介類14億ドル・科学光学機器13億ドルなどとなっており、「戦略的重要物資」と呼べるようなものではないし、国内生産あるいは中国以外の外国からの輸入で代替のきかないものは少ない。もちろん、代替は利くといっても、中国からの輸入品が入ってこなかったら日本の産業特に小売業などは大きな打撃を受けることは明らかですから中国が日本に対して一方的に依存している、とも言えません。つまり、相互に依存し合っている状況と言えるでしょう。

> また逆をいえば、そのinti−sol流論理だと、日本がなぜ対米自立を果たせないのか、その理由も明確です。

> たしかに日本のアジア諸国、中国への輸出はふえた。その輸出はアジア・中国の対欧米、とくにアメリカ輸出によってひきおこされた後方連関効果にあるのであって、アジア経済自身はふかくアメリカに依存している状態にかわりはない。

それも相互依存です。
日本も中国も、米国に対して大幅な貿易黒字を抱えています。では、その黒字はどうしているか。財務省や大手銀行や自動車メーカーの地下倉庫に米ドルの現金が積み上げられているわけではありません。せっせと米国債を買って、ドルは米国に還流しているわけです。だから、米国は貿易収支は大赤字ですが、資本収支は大黒字。で、その還流してきたドルで米国はまた輸入をする、日本や中国は輸出で稼ぐ、そういう循環システムでこれまでやってきたわけです。日本や中国は米国が製品を輸入してくれなければ困るのと同様に、米国は日本や中国が稼いだドルで国債を買ってくれなければ困る。これを相互依存と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょうか。

ただし、ブッシュ政権のもと、米国債の発行残高は止めどなく膨らみ続けている。日本の対米貿易収支は600億ドル以上の黒字で、中国も400億ドル以上の黒字(2002年の数字)ですが、これさえ、2004年の米国の財政赤字4130億ドルと比べたら、まるで小さい。それでも日本や中国が米国債を買い続けた結果、どうなったか。
先の投稿で、米国債の発行残高が6兆7500億ドルと書きましたが、このうち市場に出回るのは約半分。で日本政府の保有する米国債は4000億ドルに達すると言われています。これに、日本の金融機関・証券など大手民間企業が保有している分を加えると、いったいいくらになるのでしょうか。2003年の米国債の純増額のうち、44%(1671億ドル)を日本が購入したという報道があります。

もし日本や中国の対米輸出が止まったら、いったい誰が巨額の米国債を引き受けられるのですか?それこそ、米国政府がひっくりかえってしまいます。もっとも、対米輸出が止まらなくてもこれ以上米国債の発行が膨らみ続ければ、買い切れなくなる日がいつか来るかもしれませんが。

そういう相互依存関係にも関わらず、政治的・経済政策的には、日本が一方的に米国に従属してしまっているから問題なのだと私は思います。8年前、当時の橋本首相は、政府保有の米国債売却を匂わせて市場をパニックに陥れました。その程度の抵抗手段を使うのは当然のことでしょう。