32023 返信 Re:無防備地区宣言運動2005スタート URL トルティーヤ 2005/01/11 03:29
ノンポリさん、横レスになりますが…


> 昨年12月の市議会では、残念ながらこの条例案は否決されてしまいましたが・・・・いつの日かこの条例案が成立すれば、
> 市内には自衛隊やアメリカ軍が軍事的拠点を置くどころか、両軍が立ち入ることすら(それどころか上空を飛行することすら)、また軍事物資を積んだトラックが通過することすら禁止されます。
> つまり自衛隊とアメリカ軍は枚方市に指一本触れることが出来なくなります。このような「無防備都市」が一つ、また一つと増えていけば、日米両軍は身動きが取れなくなり、極端な話ですが基地から外に出られなくなるでしょう。「有事」を起すことは事実上不可能となるのです。
◇それって裏を返せば平時でも在日米軍が閉じ込められてしまい、日米安保条約が解消されても撤退不可能になってしまうパラドックスが出現する事も意味しますよ。そして激甚災害時に思わぬツケもやって来ますよ。
例えば条例で「自衛隊と犬は入るべからず」の場合、先日のスマトラ沖大津波や阪神・淡路大震災、そして新潟県中越地震のような激甚災害が起きて多数の被災者が生き埋めになったり温かい給食やお風呂等が緊急に必要な際に自衛隊に災害派遣要請を行う事も出来ません。つまり、自衛隊の豊富な空中機動力が初めから活用出来ません。住民に相当の覚悟を迫るだけの重大な政治的決断が必須となります。
そして最近は深刻な地球温暖化によって異常気象が相次いでいて、ほんの数年前にはあり得もしない思いもかけぬ日本を含む全世界で大災害が続出しているのはもはや周知の通りだと思います(そう言えば数年前、旧建設省が制作した都市型洪水のシミュレーションビデオを某ニュースキャスターが「あり得ない災害で怖がらせるなんてお役人の予算目当てでしょ(嘲笑)…それではCM!」と酷評していた。しかしその後、キャスターの言葉とは裏腹に都市型洪水は現実となり、死者が続出した)。
例えば堤防決壊や津波襲来等の大洪水で住民が取り残されても、自衛隊の救難ヘリコプターやカッター(短艇)、そしてメディック(航空救難員)は枚方市にアクセスする事も許されないのです。もし目の前で「誰か助けて!お母さんが死んじゃうよ!」と泣き叫ばれても要救助者(サバイバー)が枚方市内に位置するならば「ダメなものはダメ」と冷たく見放すしかなくなる。

そして無防備都市(オープンシティ)宣言で最も微妙な立場に立たされるのが海上保安庁です。
海上保安庁(以後、海保)は極めて多角的な任務を有する為に、ある人は海上救難組織、ある人は海上警察組織、ある人は軍事組織…これらの見方は全て正解です。海保は法的にはれっきとした準軍事組織であり有事の際には海自の指揮下に入る事も定められているのです。しかも米国海軍特殊部隊SEALによる訓練を受け、強力な武器を有する対テロSOG特殊警備隊(SST)をも有しています。つまり海保が果たして軍事組織であるのか否かという判断基準が極めて曖昧な点が非常に気になります。この点はどうなるのでしょうか?もし海保も自衛隊同様に扱われるのであれば海保による救難作戦も行えなくなり、実質的に警察と消防だけで水防と救助を行わねばならなくなります。無論警察も消防も経験豊富で優秀なメディックやある程度の空中機動力は揃っていますが、ヘリの絶対数が足りなさ過ぎる。これは東京都総務局総合防災部のPDF資料が非常に詳しいが、自衛隊や海保のヘリコプターのペイロードや機数、航続距離と比較して警察・消防のヘリコプターのペイロード、機数、航続距離は格段に低い。またスペックには現れにくいが、ヘリ運用にとって極めて不可欠であるロジの質や量が少しでも小さいと救難ヘリのソーティー数(延べ出動回数)を直撃してしまいます。それだけ輸送効率も悪くなる。
これでは助けられる筈のサバイバーも自ずと少なくなってしまうのではないでしょうか?