32145 返信 731部隊について、および安倍・中川・NHK問題 URL inti-sol 2005/01/15 22:59
訂正・再投稿版です

ミサキさん
いきなり余談の部分からスタートで申し訳ないのですが・・・・

> 日本の首都、東京からフィリピンの首都マニラまで、約3000キロです。
> 零戦の航続距離は約3200キロです。

その航続距離は、零戦21型を、練度の高いパイロットが操縦した場合です。レイテ戦の時の主力であった52型を、その当時の平均的な練度のパイロットが操縦した場合の航続距離は、それよりはるかに短い。というか、それ以前に特攻攻撃でないなら、片道ではなく行って帰って来なければならないんですが・・・・・。「戦闘行動半径」という意味では、少なくとも航続距離を半分に割って、更に戦闘で消費される燃料も割り引かなければなりません。その数字は、零戦21型では1000キロをはるかに超えていましたが、52型ではせいぜい5〜600キロというところ。

そうそう、それから忘れちゃいけないことですが、零戦は海軍の戦闘機で、731は陸軍の部隊です。731の極秘作戦のために海軍の零戦を使うことは、ほとんど考えられないでしょうね。(陸軍の戦闘機で零戦21型ほど航続距離の長いものはありません)

> 日本軍の輸送機の能力は
> 航続距離5000キロメートル
> 積載量1600キロ

輸送機といってもいろいろなものがありますが、どの機種のことでしょうか。
それにしても、航続距離5000キロメートル積載量1600キロというのは、1.6トンの荷物を積んで5000キロの距離を飛べる、という意味ではありませんからね。積載量と航続距離は反比例しますから。

余談ばかり長くなりましたが、本題です。
731部隊は確かに中国で生物兵器を実戦に用いています。
ただし、大きな戦果は出していません。日本軍は主に河川や湖沼、井戸などを細菌で汚染させる作戦を取りましたが、中国では生水をそのまま飲むことはなく、かならずお茶を沸かして飲むからです。生物兵器は、相手の衛生状態が悪いときに威力を発揮しますが、衛生状態の良いところでは、あまり威力を発揮できません。そういう意味では、同じ「大量破壊兵器」と呼ばれていても、生物兵器は核兵器や化学兵器と違って、確実に大量虐殺が可能な兵器ではありません。

1940年10月には上海近郊の寧波市の繁華街に陸軍の重爆がペスト菌で汚染したノミ・綿・穀物などを投下、合計100人以上の死者を出していますが、翌41年に上海の西1000キロほどの常徳市に、同様の航空攻撃を行った際は、中国側が寧波での経験に基づいて有効な対策をとったため、犠牲者の数は10人にも届きませんでした。
逆に1942年浙江省では、731部隊がコレラ菌を投下したあとに日本軍が侵攻してしまい、中国人の死者はほとんどなく日本軍将兵にコレラ患者約1万人、うち死者1700人という被害を出してしまいました。
これによって生物兵器は陸軍内部で決定的に信用を失ってしまい、以降の作戦では出番がほとんどなくなりました。

731部隊は、その後爆撃機から直接ペスト菌で汚染したノミ・綿・穀物などを投下という原始的方法から、高々度からも投下可能な細菌爆弾というより「進歩」(凶悪化)した兵器を開発しましたが、その完成は1944年末、そして「爆弾」に搭載するペスト菌の増産にかかったのが45年に入ってからですから、もちろん44年10月のレイテ戦に間に合うはずもありません。

> 余談ですが、米国政府の軍備管理削減交渉の担当者の一人、キャスリーン・ベイリーは、
> 生物兵器をつくるのには、
> 約1万ドルの資金と約4.5メートル四方のスペースがあれば、できると述べている。
(以下略)

そりゃ、過去の技術の蓄積の上で、今から生物兵器を作る、ただ作るだけっていうなら、そのとおりでしょう。しかし、731部隊は生物兵器としてはパイオニアに近い存在で、一から開発していったのですから、そんなわけにはいきません。しかも、731は開発機関であるだけでなく細菌戦を遂行する実戦部隊も兼ねていたのです。何しろ731には航空部隊も付属していましたから(航空機がなければ、細菌の培養はできても兵器としてはあまり使い物になりません)、敷地や設備が広大なのも当然です。


さて、しょうないさん

> NHKが「必要ないと判断」したからこそ「法廷」関係者は執拗に抗議しているのではないでしょうか?

そうでしょうか。NHKが自分自身の主体的判断で「必要ない」と考えたのではなく、安倍や中川、それに抗議に殺到した右翼団体が「必要ないと判断」し、NHKは唯々諾々とそれに従っただけではないのか、ということが問題になっているはずです。

> 日本人拉致は現在進行中の問題ですし、また「金日成民衆裁判」なるものは未だに行われた事はありません。

問題そのものが現在進行形であることや、既に「金日成民衆裁判」が行われたかどうかと、「死者にむち打たない」という文化があるかどうかは関係ないと思います。

> 「共和国」系の在日団体が集団でメディアに「強訴」に押しかけたことは何度も述べてますけど。元週刊朝日編集部の稲垣武氏によれば「強面の若者がスゴイ顔でにらみつけてきた」とか。

安倍と中川が問題になるのは、NHKの予算承認権をもつ国会議員、それも与党の幹部が、放送前に密室的な状況の下で話し合って、その結果番組が放送されないうちに切り刻まれて実質的に闇の葬られたのではないか、という疑惑があるからです。放送された番組を事後に批判するのは言論の自由に属する問題です。だから中川は突然前言を翻して、NHK幹部と面会したのは放送後だと言いだしたのです。
で、その「共和国」系の在日団体とやらは、いつ、どの番組、あるいは記事を事前に差し止めしたのですか?事後の批判であれば、それは中川が現在主張している「事実」(それが事実だとして、ですが)と何も変わらないのではありませんか。また、彼等には与党の国会議員が持つようなどのような権限があるのでしょうか。「強面の若者がスゴイ顔でにらみつけてきた」って、それだけですか?


政治家がマスコミの報道に介入したがるのは、今に始まったことではなく、「ニュースステーション」に対して自民党が執拗にバッシングを続けて以来、否、日本テレビの「ベトナム海兵大隊戦記」放送打ち切り事件やTBSの田英夫解任事件以来連綿と続いています。(http://homepage2.nifty.com/sumee/media0408.htmを参照)
要するに自民党の政治家には自分たちの政策と相反するテレビ放送に対しては圧力をかけたがる連中が少なからずいる、という前提に立たなければなりません。この歴史を振り返れば、女性国際戦犯法廷を番組で取り上げることは自民党の政治家連中の攻撃を受けるであろうことは当然予想の範囲内でなければなりません。その予想通りのことが起きて、それにハイハイと従って要求に屈しているようでは、言論機関としてはあまりに見識が低すぎる。

と、書いたのですが、その後クマさんの投稿32141を読み、おお、そのとおりだと思いました。ので、この部分は一部編集し直して再投稿しています。


追加でもう1点。
放送法の「政治的中立」がいろいろと問題になっていますが、他ならぬ自民党が放送法のこの条項を削除することを画策しているようです。なぜって、そうすれば公然と自民党の広報を目的とする放送局も開設可能になるからですよ。
詳細はこの記事参照。
自らは「政治的中立」条項の廃止を画策する自民党が、放送局に対しては政治的中立(それも自分の都合のいいような解釈)を言い立てる・・・・・何というか、ほとんどグロテスクな世界です。