32207 | 返信 | Re:安倍・中川・NHK問題 | URL | inti-sol | 2005/01/17 22:57 | |
tpknさん おっちゃんもそうですが、今回の一連の事件に関して、事実認識にかんして、あまり違いはありません。今回の件が単発的な出来事ではなく、NHKのもつ体質と深く関連している、という点についてもそうでしょう。 問題は、NHKのそのような体質がNHK内部の問題なのかどうか、という点です。その点にtpknさんと私の見解の最大の違いがある、ということでよろしいでしょうか。 私も、もちろんNHK内部の問題でもある、という点についてはまったくそのとおりだと思います。しかし、それだけではないというのが私の考えです。 もともと、テレビ局は(NHKに限らず)政治の圧力に対して軟弱です。とりわけNHKが軟弱ですが、他の局も気骨があるわけではありません。先の投稿でも触れたように日本テレビは「南ベトナム海兵大隊戦記」の放送を、橋本登美三郎官房長官の圧力によって、第1回だけで打ち切りにしたし(このときも、日本テレビは政治家の圧力による放送中止を否定しました)、TBSは「ハノイより、田英夫の証言」について、社長が自民党本部に呼び出されて、やはり橋本登美三郎と、田中角栄、長谷川峻らに詰問を受けると、田英夫をキャスターから解任しました。 NHKの問題が内部的問題だとしたら、これらの問題もすべて内部的な問題だということになります。そうすると、ほとんどの放送局が同じ体質同じ欠陥をもっているということになります。たぶん、そうなのだろうと思います。しかし、どの放送局もみな「政治におもねる」同じ体質、同じ欠陥をもっているとしたら、その体質を生み出したものは内部的ではない筈です。 では、そういう体質を生み出した外的な要因とは何か。 一つは放送の免許制です。電波(周波数帯)は限られた公共の資産ですから、これを占有するに当たって免許が必要なのは、仕方のないところではあるでしょう。しかし郵政省(今は総務省)が免許更新の可否という放送局の生殺与奪の権を握っていて、その郵政省と自民党の郵政族議員が密接に結びついていることもまた事実です。実際、テレビ朝日は「反自民政権を応援する放送をする」というようなことを社長が発言したことが漏れてやり玉に挙げられ、免許更新の際にかなりの脅しをかけられて付帯条件付きの免許にされてしまいました。 それに加えてMHKは、これも何度か指摘しているように、予算決算に国会の承認を必要とする、というもうひとつの生殺与奪の権を政治に握られている。今回の件にしても、なんで幹部がわざわざ自社の予算の説明に自民党の政治家の下に赴かなければならないのか、他のマスコミだったら、たとえ読売や産経といえどもそんなことはやっていないでしょう。 NHKが予算決算に国会の承認を要するから、政治家の下に予算の説明に行かなければならないわけです。そしてまた、歴代のNHK会長が政治家の意向によって首をすげ替えられるのも、同じ理由によるでしょう。読売の渡辺恒雄やフジサンケイの鹿内オーナーなども政界にお友達をたくさん作っておいでのようですが、政治家の意向によってころころと首をすげ替えられたりはしていません。彼等はHNKのような形で政治に首根っこを押さえられているわけではないからでしょう。 今回の事件には、こうしたNHK及びテレビ局が構造的に抱える政治に対する弱点が産んだ問題だと私は思います。 1972年、佐藤栄作が首相を辞任する記者会見の時、「新聞は偏向しているから記者の前で会見をするのは嫌だ」と言って新聞記者は全員退出して、無人の会見室でNHKのテレビカメラだけを前に辞任会見をやったことがあります。 会見室には読売や産経の記者もいたはずです。今日残っている写真を見ると会見室は文字通りの空っぽですから、彼等も出ていったようです。しかし、佐藤に名指しで気に入られた(?)NHKだけはその場に残って会見を唯々諾々と報道した。ある意味、あれがNHKの本質なのかもしれません。 あと、いくつかの部分に対するレスですが >え? だってインタビューには応じているわけですから、頼むだけ頼めばよかったんじゃないでしょうか。 番組のインタビューに応じて、女性国際戦犯法廷を批判するコメントを出したのであって、法廷の主催者のインタビューに応じたわけではありません。 >「頼む可能性が100%なかった」というのが実情ではないかと思いますけどね。 どうでしょうか。リンク先にも書いてあったことですが、弁護人というのは被告の代理人です。被告の意向と無関係に法廷が勝手に代理人を付ける、というのも不可解なことではあります。 そういう意味では、確かに被告から依頼もないのに勝手に頼む可能性は、100%ないでしょうね。 >犯罪ではないので、例示が不適切です。その場合は、主犯格と共犯者は、被害者に対して同じ立場に立っていますが、今回は違います。 では別の例です。あしなさんとおっちゃんの出した悪代官と悪徳商人の例。賄賂を送った方も受け取った方もどちらも犯罪人(現在の法律では、ですが)には違いありません。しかし悪代官が、「賄をよこせ」と脅しをかけ続け、その結果いつの間にか商人は悪徳商人になっていった、ということもあるわけです。 |
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