32285 返信 三菱徴用工訴訟 URL ウサギの眼 2005/01/20 11:48
《太平洋戦争中に強制的に連行され、広島で被爆した韓国人の元徴用工40人(うち19人は死亡)が、国と三菱重工業(東京)などに慰謝料や未払い賃金など計4億4000万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が19日午後、広島高裁であった。西島幸夫裁判長は請求を退けた一審判決を変更し、国に総額4800万円の賠償を命じる逆転判決を言い渡した。三菱重工業への請求は認めなかった。》by asahi.com

 広島高裁判決は、まず原告らの徴用を強制連行であると認定し国の不法行為について責任を否定できないとした。そして除斥期間や時効による請求権消滅の判断は従来の戦後補償裁判判決を追従したが、在韓被爆者訴訟のうち2002年12月大阪高裁判決で示された「被爆者はどこにいても被爆者」と同じ判断にたち「国外に移住した被爆者は手当などの受給資格を失う」とした1974年の旧厚生省通達の違法性を指摘し、このため在韓被爆者の救済が遅れていることによる精神的苦痛の存在を認め、被告のうち国に賠償を命じたものである。

 戦後補償裁判の判決において、かつては不法行為の事実解明すら避け不問にされてきたが、日本国政府や企業による戦争犯罪や人道への罪などの重大な人権侵害の被害者とその支援者による粘り強い取り組みが、司法の場でも少しずつ被害事実の認定と救済への道を開いていることの意義は大きい。

 主流として戦争犯罪と戦後責任を問わずに来た日本政府と戦後日本社会への挑戦であった女性国際戦犯法廷や今日のNHK番組への政治介入問題など、「世界の平和と共生を模索する二十一世紀の日本社会の行く末を根底から左右する問題」(米山リサ氏)への取り組みと解明への前進は今後も留まることはないであろう。