32652 返信 Re:正假名遣ひ、正字體を輕視し、莫迦にするキララ殿へ URL 水原文人@パラノイア 2005/02/02 02:00
tpknさん、 春日輝仁さん、キララさん、こんにちは。
みなさん、こんにちは。

> > 又、現代假名遣ひは矛盾點が多く缺陷品と言つても過言ではありません。
>
> これはまったくその通りですね。

漢字はもっとメチャクチャですし。「交差点」ってなに? 交わる差の点? 実は「交叉点」の文字替え、だとか。(「叉」が当用漢字でないため)。

でもまあ漢字の狂った用法に較べれば、現代仮名遣いには実はそんなに破綻はありません。現代日本語の発音に準じているので、口語の発音を表記する手段としては旧仮名遣いよりも、基本的には正確です。

ただしこういう問題はあり

「現代假名遣ひでは「地面」の讀みを「じめん」と記します。然し、「地」の讀みは現代假
名遣ひでも「ち」と記します。「ち」が濁つたのだから、「ぢ」と記する方が適切ですよ」

これはその通りで、なぜ新仮名で「じめん」になったのかは、根拠がよく分かりません。「ぢ」も「じ」も現代日本語では同じ発音なので。(ちなみに「痔」は「ぢ」と表記しますが、「寺」が入っているので「じ」が正確じゃないか、とか)。

> 何か専用の辞書でも使って入力されているのでしょうか。

ちょっと僕も教えて欲しいです。

ただこれはちょっと微妙

「現代では「言う」の活用は「わ・お、い・っ、う、え、え」
となつてをり、ワ行とア行の兩方に跨るので非常に不自然であり、原則を亂してゐます。
しかし、正假名遣ひは、「は・ひ・ふ・へ・へ」となり、自然なのです。」

文法的にはそうなのですが、発音的にはかつて「は・ひ・ふ・へ・へ」と実際に発音していたのでして、それが現代日本語では訛ってしまっているのです。実は仮名表記が公式に用いられるようになった明治時代で、すでにこの乖離は存在していたので厄介だなぁ、と。文法をとるか、表音文字に徹するかの問題です。仮名表記の問題よりは、日本語の発音の問題なのです。この辺りでは「言葉は変化する」のキララさんにやや歩があり。

「わ」行それ自体の問題になるともっと厄介。「ゐ」の本来の発音は、強引に現代仮名遣いにすれば「ウィ」です。「ウェ」の仮名はちょっと私の文字設定では出し方が分からない。「を」は現代口語では「お」とまったく同じ発音ですが、「ウォ」であったはずです。

まあ録音があるわけじゃないから推測の域は出ないけど、いまだに方言では「わ」行の正確な発音が残っているところはありますね。

>英語が「利便性や習慣などを考慮され」表音たる物にならないのは何故でせうか。それは、過去の文獻等が讀めなくなるからです。現代の日本人は夏目漱石の本や古事記、日本書紀と云つた物を原文の儘では讀めないさうです。

その代償として、英語の発音規則はメチャクチャです。というか、純粋に言語学的に言えば「正しい英語の発音」というものは存在しない。で、表記を変えなくても現代の英語圏の人々の大部分は、実はシェイクスピアが読めません。

日本語の場合、そもそもの齟齬は、たとえば「わ」行の発音がない、いわゆる「山の手言葉」が標準語の基礎になってしまったところにあります。山の手言葉的系列の「標準語」では、基本的には現代仮名遣いは合理的です。まあこの「国語の統一」もまた、国民国家としての「大日本帝国」構築には重要なファクターのひとつでした。性急にやり過ぎたきらいはありますね。

> > > あまり変な愛国心ならぬ”愛国語心”を持つと、かえって国語を乱すことにつながりか
> > > ねませんよ。
>
> というかキララさんはまず、言語と表記の区別をつけて論じられたほうがよいのではないでしょうか。

というか、キララさんは

>あなたの文章が読みにくいという意味で(笑)おそらく相当ご年配の政治家以外は、すらすら読めないでしょうからね。

とお書きになってますが、それは誤解です。文章が読みにくいという意味では、おそらく相当ご年配の政治家だって春日様の文章は、少しでもセンテンスが長くなってやや複雑なことをを言おうとしている部分には四苦八苦されるのではないでしょうか? 旧仮名遣いか新仮名遣いかの問題ではなく、付け焼き刃の旧仮名で、文章がなってないから。