| 32720 | 返信 | Re:「十分」…貴方はこれを何と言ひますか:余談 | URL | 梶村太一郎 | 2005/02/05 02:46 | |
| SONGさん、 お話の余談ですが、この「バランスか悪すぎる」話とは、ある意味で対極の話を 思い出したので、まわりくどいですが、ちょっと話しましょう。 数年前、ちょうど今のような真冬にある新聞記者と共にアウシュウィッツを訪ねたことがあります。 (これについては『ポーランド冬の旅』と題して季刊中帰連のエッセイに書いたことがあるのですが。そこでは触れていない話です) そのとき、クラクフの旧ユダヤ人街に最近、やっと修復されたシナゴークを見学しました。真冬ですし当地にはユダヤ人はほとんど住んでいないので(ほぼ絶滅されたのです)訪問者などはいません。 入り口で、門番の老人に入場料を払うと灯りをつけてくれます。驚くべき立派なシナゴークでした。私がこれまで見たものの中では最高のものでしたから、じっくり見学したのです。その老人が私たちに説明をしようとして、いろいろ話しかけてくるのですが、なにしろ私たちはポーランド語ができないので、また彼の方は英語ができないので、どうにもなりません。 見学をおえて貸してもらったカッパ(シナゴークに入る時に男性が冠る小さな帽子)を彼に返そうとすると、老人が「あなたはユダヤ人ですか?」と突然ドイツ語で問ってきたのです。 「いや残念ながらちがいます。あなたはドイツ語が出来るのですね」と答えると、老人は悲しそうにうなずきかえしたのです。その老人の姿を忘れることができません。 かれのうなずきにわたしがとっさに理解したのは、かれが、ホロコーストを生き延びたユダヤ人であるにちがいないということです。 このあと、わたしは旅の連れ合いに、数年前にノーベル文学賞を受賞したハンガリーの作家クレテウスについて話しました、このブダペスト生まれのユダヤ人は、14歳のときにアウシュウィッツとブーヘンヴァルトの強制収容所を生き延びました。その代表作のひとつで(原文がハンガリー語であるため、おそらく日本語翻訳は出てないでしょう)彼が「ナチスの殺人工場を生き延びることができたのは、支配者の言語・ドイツ語を学校で学んでいたからだ」と書いていたことを話しました。 シナゴークの門番の老人も、そういえば年格好からしてもクレテウスによく似た人物でした。 このはなしにうなずいた連れの新聞記者は、彼の体験を話しました。 ずいぶん前に取材で韓国を訪れた時に、なんと候文が書ける韓国人老人に出会ったことがあるというのです。日本の植民地時代に日本語の読み書きができないひとびとのために,ようするに代書をやっていたからです。「彼は特に裁判所や役所に提出する書類の代書をやったため、いまだに立派な候文が書けるのです」とのことです。 おそらく、この老人の日本語はここでの懐古趣味の人物のそれなどとは比べ物にならないほど立派なものでしょう。 支配と非支配の言語の問題は、先日もドイツのドイツの大統領がクネッセトで演説した時に、ボイコットしたイスラエルの国会議員が多数いましたが、非常に根の深いテーマです。これについては、別にどこかに書いて発表するつもりです。 > いっそのこと、象形文字で書いてみてはいかがか? > > 旧仮名遣いを現代に於いていかに正当性を主張しようが、懐古的な政治性を帯びていることは誰が見ても明白です。貴君の主張が、貴君の脳内でいかに正当性があろうと、多くの人間が意見を意見を交わすコミュニケーションの場において、貴君のマスターベーションを見せつけられる義務は、誰も負わないのですね。 > > 例えば、新郎がタキシード、新婦がウエディングドレスで登場している結婚式に呼ばれている会場で、貴君はげゲートルを巻き上げた旧日本兵の軍服姿で、腰に飯盒をぶら下げ、日章旗を背中に刺し進軍ラッパで「ラバウル小唄」を吹いているような感じです。 > > つまり、バランス悪すぎる。 |
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