| 33028 | 返信 | Re:ホロコーストに対する罪 | URL | 梶村太一郎 | 2005/02/18 21:27 | |
敬愛する小林哲夫さま、 シュレーダー演説があったので、以前の議論の続きを、もっと具体的にすることが出来ると思いました。再登場ありがとうございます。 私も忙しいですが、できるだけ建設的な議論をいたしましょう。 まずはこの演説内容についての事実関係について: 小林さん: > > ところがシュレダードイツ首相の演説はやはり「全ての罪はヒットラーとその仲間だけに有る」と言っているようで、これではやはり責任転嫁の一種だと私には思われますが如何でしょうか? > シュレーダーはこの点について演説の中で、次のように明確に述べています。 『それ以降、悪はもはや政治的、ないしは学問的な範疇ではないのです。アウシュヴィッツ以後に、いったい誰が、悪が存在し、ナチズムの憎しみに駆られた民族虐殺に、それが姿を現したことを疑うことが出来るでありましょうか? このように確定することはしかし、古い「悪魔のヒトラー」の話に逃げ込むことではありません。ナチイデオロギーには前提が無かったのではありません。人々の思考の粗暴化と道徳的に自制を失ったことが、その前史であったのです。確実なことは:ナチイデオロギーは人間が望み、そして人間によってつくられたのです。』 実は、この部分は演説の核心のひとつです。 というのは、ドイツ政府首相府のオリジナル版では、わたしが演説のあった2日後に翻訳した段階では、サイトのトップにあったのですが、その後数日して「演説集」に入れられています。その際、この演説に『ナチイデオロギーは人間が望み、そして人間によってつくられた』といういささか長い題名が付けられています。演説のこの部分の言葉です。すなわち、ここのところを最も強調したいからなのでしょう。 『「全ての罪はヒットラーとその仲間だけに有る」と言っているようで 』(小林さん)はなく、シュレーダーは、まさにそれを否定して『このように確定することはしかし、古い「悪魔のヒトラー」の話に逃げ込むことではありません。』と明確に述べています。 その上で、ナチイデオロギーが台頭するには前提条件があった。それは『人々の思考の粗暴化』であり、人々が『道徳的に自制を失ったこと』が『その前史』としてあったからこそ、このような史上最大の「悪による亀裂」が起こった。そしてこのことからの結論として『確実なことは:ナチイデオロギーは人間が望み、そして人間によってつくられたのです。』と断定しています。 すなわち「悪魔のヒトラー」ではなく、「人間の意思」によってホロコーストは可能であったと言っています。「全ての罪はヒットラーとその仲間だけに有る」と「責任転嫁」(小林さん)するのではなく「人間」に責任があると言っているのです。 客観的に見れば、シュレーダーは、あまりにも当たり前のこと、当然至極のことを述べているにすぎません。 だが、ポイントは「人々の思考が粗暴化し、道徳的な自制が失われるならば、ふたたびこのようなことは人間には可能だ」との警告の声として読めば、これは、ネオナチに対するものだけではなく、もっと普遍的な意味を持ちます。 日本の現状も含めて、思い当たることが多いのではないでしょうか。 |
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