33031 返信 Re:Gaou、森永和彦両氏らの「朝鮮」表記について。 URL inti-sol 2005/02/19 01:35
tpknさん

> 漢字の置き換えが英語における綴りの交換と同じようなものだと考えているのですか? 漢字は表音文字ではなく、ひとつひとつが意味を持つ単語なんですが…。

同じものではないことは言うまでもありません。私がこの例を出したのは、同じであるという意味ではなく、自国の国名を異なる文字文化圏でどのように表記されるかは、原則として表記する側の都合で決まる、ということです。「合衆国」か「合州国」かは米国人が決める問題ではなく日本人が決める問題であり、またJapanかNipponかも、日本人が決める問題ではなく英語圏の人々が決める問題ということです。(要望を出すことくらいはできるでしょうが)

> そうやって考えたとき、「合州国」という言葉は、合衆国や連邦、連合国など通常使われている言葉にくらべて、アメリカという国の政体を正確に表現したものではないということであり、字面に引きずられた誤訳だということです。

米国を指して「連邦」「連合国」と表記することは、通常ありませんよ。確かに、米国の政体を表す、もっとも一般的な日本語はおそらく「連邦」でしょう。八木沢氏も指摘していたことですが、当の米国政府機関に「連邦(Federal)」という名を冠したものは多いということは、米国政府自身も自らを「連邦国家」と考えていることを示唆しています。
しかし、とにもかくにも米国の国名そのものには「連邦」という単語は入らない。にもかかわらず米国をアメリカ連邦と表記するのは、あまりに意訳の度が過ぎると思われます。
連合国、これはいい!UKが連合王国なんだから、USが連合国という翻訳は、言い得て妙です。
では、合衆国はどうか。八木沢氏が「合衆国」という日本語の由来を説明しています。

> 「合衆国」とは、それが命名された江戸末期、当時の中国が政治が札入れ(投票)によって行なわれることを「合衆政治」と表現していたことが直接の由来となってできた言葉である。権力の運用に民衆が直接関与するという米国の政治のやり方に対する当時の日本人の驚きが込められており、republicが日本語に訳される前に「共和国」の意味で使われていた。(八木沢氏の投稿32978)

そう、これは「合衆国」という表記の正当性に対するなかなか説得力のある説明ではあります。ただし、欠点もある。「政治が札入れ(投票)によって行なわれる合衆政治」つまり投票による民主政治が行われている国だから「合衆国」だということになると、米国とメキシコ以外でも、民主政治を行っている国はみんな「合衆国」でなければならないことになります。そうすると、やはりUnited States(メキシコはスペイン語でEstados Unidos)という単語に対する翻訳としては、ちょっと強引ではないか、という印象が拭えません。