33088 返信 Re:Gaou、森永和彦両氏らの「朝鮮」表記について。 URL tpkn 2005/02/20 12:02
inti-solさん

> いいえ、ですから、意味が変わらなければだめなのです。つまりUnited Statesの日本語訳として、「合衆の国」(つまり民主主義の国)よりも「州が集まってつくった国」の方がよりふさわしいのではないか、というのが「合州国」という表記の出発点なのですから。

はい。それがふさわしくない理由は、すでに説明しております。

> 意訳がいかんというわけではありませんよ。「合衆国」という表現が日本語の中で充分な市民権を得ていることも歴然たる事実。だから合衆国という表現を否定するつもりはさらさらないけれど、より直訳的な命名を提示することも、あり得る選択肢だと思うわけです。直訳的な命名の中で連邦とか連合国とかいったものも、選択肢の一つであることは否定しません。しかし、既存の、大きな市民権を得ている「合衆国」という表現と発音上の同一性を維持したまま文字を入れ替えて、意味の違う新しい単語を造語する提示もわるくない、と思うわけです。

わるいです(笑)。なぜなら、合衆国や連邦に比べ、恣意的な解釈にすぎるからです。もちろん、本多勝一は自分の「趣味」として使っているということですから別にそれで構いませんが、たとえば合州国のほうが正しい表記なのだとか、より正確に元の国名を翻訳したものだ、という解釈は誤りだということであって、合州国表記を使う人はたんに「私はホンカツ趣味です」ということを表明しているという以上のものでありません。

> 私は初めて合州国の表記を目にしたのは高校生の頃で、本多勝一氏の著書ではなく小田実氏の著書によってでした。(実は、本多氏の「アメリカ合州国」は未読)最初は誤植かと思いましたが、次の瞬間にはその意味するところは理解できました。造語として、そんなに的はずれなものとは思いません。

的はずれな理由をさんざんに説明してあります。「その意味するところは理解」って本当でしょうか? たとえばinti-solさんは、合州国という表記を見て、なるほど、これは連邦のようなものかと思ったのでしょうか? 違うでしょう? 少なくとも私は、「州が集まっているから合州国か。なるほどそっちのほうが自然だ」というふうにしか思いませんでした。そしてそれは、間違いであることが後にわかりました。つまり、小田実や本多勝一の「意味するところ」はわかりますけども、もとのthe United Statesという言葉の意味するところからはかけはなれていくわけです。これ、いわゆる民衆語源の広まる過程と全く同じですよ。

> それを言い出すと、California StateやNew York Stateをカリフォルニア州やニューヨーク州と訳すことも恥ずかしいものということになるでしょう。「合州国」という表現は、米国のStateを日本語では州と訳す、という慣習の上で造語された表現なのですから。
> 根本的には米国のStateを日本語で州と訳すことの妥当性という問題に行き着くのではないでしょうか。それはそれで大いに議論の余地のある問題ですが、「合州国」という表現が妥当か否かなどという問題は、どちらかというと枝葉末節の問題ではないでしょうか。

行政単位としてのstateは州と訳しますが、stateは常に州という意味ではありません。つまり、stateの意味を州に限定してしまうから、おかしなことになるわけです。で、別にアメリカのstateは単独で用いられるときには州で何も不都合はないわけです。もちろん、それが本当は妥当ではないという議論は十分ありますが、これもすでに定着しているわけですから、いちいちその妥当性を論じる必要もありません。同様に、合衆国も慣習として定着しているわけですから、そちらをいちいち変更する必要もないわけです。

合州国という表記を擁護するにあたり、「州」が慣習的に認められてきたからという論法を使うと、そもそも慣習として揺るぎない地位を持っている「合衆国」表記を変更する意味がわけわからなくなり、大きな矛盾ですよ(笑)。