33211 返信 Re:ドイツ人の圧倒的多数はユダヤ人迫害を支持 URL 梶村太一郎 2005/02/25 22:30
毒抜け芋虫ちゃん、

理性的になったのは、はるかに小林さんより優れています。

> 前回の投稿でナチスは政権につく前からユダヤ人迫害を公言していたことを確認しました。毒芋虫は思いつきでテキトーに書いているので順番的にはおかしいのですが、ナチスの綱領を一応確認します。
> 3、我が民族を養い、過剰人口を移住させる土地を求める。
> 4、民族同胞のみが国民たりうる。 宗派にかかわらずドイツの血をひくもののみが民族  同胞たりうる。ゆえにユダヤ人は民族同胞たりえない。
> と、海外膨張主義と反ユダヤ主義を鮮明に打ち出しているのが分かります。
> さて、ナチスが選挙により政権の座についてことはよく知られたところですが、ここでナチスの得票率を見てみましょう。
> 1928年5月国会選挙 得票率2.6% 12議席
> 1930年9月国会選挙 得票率18.3% 107議席
> 1932年7月国会選挙 得票率37.4% 230議席
> 1932年11月国会選挙 得票率33.1% 196 議席
> 1933年3 月国会選挙 得票率43.9 % 288 議席
> と言う具合で、ほぼ一直線に議席を増やしていることが分かりますね。

ドイツの有権者が極端な人種主義綱領を掲げるナチ党を1933年の選挙で第一党に選んだのは、史実です。
ただし、権力を掌握してからの以下の出来事:

> 国連脱退を問う国民投票(1933年11月)では得票率95.1%を得,ヒンデンブルグ大統領死去後、ヒットラーは国民投票で88%の支持を得て宰相と大統領を兼ねる総統に就任します(1934年8月)。

は、それまでのことと比較は出来ません。1933年3月からヒトラーが、まずやったことは、共産党、社会民主党の物理的破壊排除でした。国会議員を直ちに拘束、強制収容(これは、ベルリンに仮設収容所を設けました。)し、党本部を焼き討ちしたり破壊しました。すなわち、これらは、政敵を排除した暴力支配下で行われた選挙なのです。
君は、次にはこのあたりの勉強をしてください。

> 以上見たように、ドイツ人たちは、ユダヤ人迫害を公言するナチスの頭目をよりによって直接投票で信任してしまったのです。ユダヤ人の迫害は一般ドイツ人の圧倒的支持の基に行われたことはあまりにも明白ではないでしょうか。
>

そこで、毒抜け芋虫ちゃん、質問があります。

ドイツ国民の名誉のために言っておきますが、自由な選挙が可能であった上記の33年3月の選挙にいたるまで、ナチ党が第一党になることはあっても、過半数を獲得した国会選挙はありませんでした。これはあなたも同意するでしょう。
であるから、パーペンとヒンデンブルクの後押しがあって、やっとヒトラーは首相になれたのです。
ところがかれは直ぐに、授権法を公布して憲法を事実上停止します。「合法的クーデター」といわれています。

したがって、「ドイツ人の圧倒的支持があった」という表現は間違いです。最大で44%の支持でした。つまり56%は不支持であったのです。これも同意するでしょう。

いかが?

さて、にもかかわらず、シュレーダーは演説で:

『ナチイデオロギーには前提が無かったのではありません。人々の思考の粗暴化と道徳的に自制を失ったことが、その前史であったのです。確実なことは:ナチイデオロギーは人間が望み、そして人間によってつくられたのです。』

と述べています。
「ナチイデオロギーが人間によて望まれ、つくられた」ことを確定しています。
その結果の破滅を繰り返さないことに、われわれ後の世代も責任があると主張するのです。「現在でも、人々の思考が粗暴化し、道徳的に自制を失えば、人間は同じような過ちを繰り返しますよ」と自覚を促しているのです。

ここで、シュレーダーが「ドイツ人」という言葉でなく「人間」を使っていることに注目して下さい。

私が、この演説を翻訳した後で、首相府はこの演説に『ナチイデオロギーは人間が望み人間によってつくられた』というこの一文を題名にしてHPの演説欄に保存しました。