33314 | 返信 | Re:ドイツ人(の圧倒的多数)はユダヤ人迫害を支持 | URL | 梶村太一郎 | 2005/03/02 06:31 | |
毒抜け芋虫さん、 毒が抜けるには禁断症状が続きますからね、苦しいでしょう。 あせらないことです。 まずは、前回あなたが持ち出して来た、総選挙の結果からは、「ドイツ人の圧倒的多数はユダヤ人迫害を支持」とはいえないことを指摘しました。ナチスが得た最大得票率は 44%でしたね。 それについての、返事がありませんね。ぜひ回答してくださいな。 これについて、重要な事実を指摘しておきましょう。 ひとつは、ナチスが得票率を伸ばした32−33年の選挙戦での、主な争点は、世界恐慌のあおりを受けての失業問題でした。当面のナチスの敵は共産党だったからです。ユダヤ人問題はそこではほぼ採り上げられてはいません。 実情はこのようなものでした。ナチスは32年11月24日の選挙で前回の7月31日の37、4%から、約200万票を失い33、1%に後退し、集票能力が限界に達していました。 そこで、33年2月27日には国会放火事件を起こし、これを共産党の仕業とでっち挙げ、それを口実にして、翌日内相ゲーリングが「大統領緊急令」を布告し、集会の自由権を停止、SA、SSなどの暴力部隊に警察権を与えて警棒と拳銃を与え、特に共産党、社会民主党の集会にも文字どおり物理的な弾圧を加えました。全国で大勢の死傷者が出ています。これがナチスの暴力支配の始まりです。 それ以前の1月30日にはヒンデンブルクがヒトラーを首相に任命。2月1日にヒトラーは国会を解散、3月5日に選挙、しかし43、9%しか獲得できませんでした。したがってこのときの選挙は、すでに自由な選挙とは言いがたい情勢下で行われたものです。これが実情でした。 したがって、これらの選挙結果を持ち出して: > 前回の投稿でヒットラーのユダヤ人迫害政策がドイツ国民の支持を得て行われたことを示しました。ヒットラーを支持したドイツ人は、悪ければ共同正犯、かなり割り引いても幇助者として従犯でしょう。つまり、当時のドイツ人の過半は文字通りユダヤ人迫害については「犯罪者」といえるのです。 などとは、到底主張できません。あなたの言っていることは、立派な史実の改竄か、あるいは俗説(西尾幹二説の受け売りのようなものだと推定しますー申し訳ないですが もしそうならば、とっくにあなたの負けです。西尾さんは私に徹底的に論破され、梶村を天敵だと思っているようです)を信じているだけです。 (もちろん南京事件と一般の日本人の間にはこのような関係は成立しません。) これについては、わたしは2月21日の投稿、33101でそのようにちゃんと言っていますね。もう一度読み直して下さい。 以下については長くなりすぎるので、次回にまわします。 とりあえずは、以上の私の反論に正面から事実求是の実証主義で反論して下さい。 疑問や納得いかないことあれば、正直に質問して下さい。 歴史は奥深いものです。まじめにお答えいたしますので。 > さて、ここでまたシュレーダー演説に戻ります。シュレーダー演説は毒芋虫には「ホロコーストはナチスがやったことだけれども現在のドイツ人には責任がある」という意味に読めます。前にも言及した一節ですが、「何百万人という子供たち、女性と男性たちが、ドイツの親衛隊隊員と彼らの援助者たちによって、ガスで窒息死させられ、餓死させられ、銃殺されました。」とシュレーダーは述べます。何故このような言い方をするのでしょうか。下線部は単に「ドイツ人」と言ってもおかしくはないし、責任の所在ということから見れば、むしろそのほうが妥当でしょう。だからこの言い方はごまかしがあると毒芋虫は主張するのです。 > また、絶滅収容所の運営についても一般ドイツ人が係わっていたことは明らかです。たとえば、ユダヤ人の輸送はドイツ国鉄が請け負っていました(これは「ショアー」という映画に関係者のインタビューが出ているそうです。)。また、絶滅収容所は巨大な工場群でもありました。そこでユダヤ人を使っていたのは一般のドイツ企業です(映画「シンドラーのリスト」参照のこと)。だから、実際問題としてはシュレーダーの言い方は嘘なのです。 > (他にも「ネオナチスの不快な挑発と、常に繰り返されるナチスの犯罪を瑣末なものにしようとする、新たな試みに向かって断固として対抗することは、すべての民主主義者の共通の義務であります。民主主義と寛容の敵に向かっては一切の寛容があってはならないのです。」とか何とかいろいろ言ってますが、ホロコーストをナチスの犯罪に局限化しようということではみな同じなので省略。) > |
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