33427 | 返信 | 書き忘れていたこと:日ソ中立条約違反 | URL | 五番街 | 2005/03/06 05:43 | |
小林さんとの議論では、だいたいにおいて、ポイントとなる部分について私の見解を述べたり反論しています。そのため、枝葉末節と考えて無視した部分も多いのですが、振り返って考えてみると、この枝葉末節と考えた部分にも重要な問題が隠されているのではないかという気もします。 たとえば、私は、次の小林さんの発言を無視しましたが、非常に面白い問題があるのではないかと考えるようになったので、改めて私の考えを書くことにします。 > ソ連の満州侵攻について私が違法だといったのは、条約違反のことをいっているのであって、ソ連を侵略として批判したのでは有りませんので、五番街さんの方に誤解があります。(小林さん #33409) ところが、小林さんは、以前の投稿では次のように書いています。 > 例えば日ソ不可侵条約に違反したスターリンは戦犯と言って宜しいでしょうか? > 私はソ連の満州侵略はソ連の国家犯罪ではあるが、スターリンを処刑することは出来ないと思うのですが、如何でしょうか?(同 #33376) で、この#337409の小林さんの発言は、明らかにウソですね。明確に、「ソ連の満州侵略はソ連の国家犯罪」と小林さんは書き、批判しています。 もうひとつの面白いのは、これは小林さんに限りませんが、多くの人が、ソ連による満州侵攻を「日ソ中立条約違反」と考えていることです。 ところが、当時の満州国は、日本の領土ではなく独立した国家というのが日本の主張でした。一方で、この国家は、日本が中国の領土を簒奪して作り上げた傀儡国家、という考えが国際社会の認識でした。 満州国については、【当時の国際連盟加盟諸国は、「満州国は日本の傀儡政権であり、満州地域は中華民国の主権下にある」とする中華民国の立場を支持して】いたのですから、国際連盟はソ連の満州侵攻は、日ソ中立条約違反ではない、という見方に立つことになります。つまり、ソ連は中国の領土に進行して日本軍と戦闘した、というのが国際連盟の見解になると考えられます。 そして、前述のように、日本政府は満州国の「独立」を承認していたのですから、政府の見解としても、この満州侵攻が日ソ中立条約違反になるわけはありません。 ところが、小林さんのように、この侵攻を同条約違反と考えるのは、その前提には、満州国は日本の領土の一部であるとする認識があることになります。 つまり、この考え方は、国際連盟の見方でもなく、また日本政府の主張にもとづくものでもなく、侵略による簒奪によって、自国の領土化を肯定する侵略者の見方であることになります。 |
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