33715 返信 Re:言葉に詳しいとんぷく君に質問:とんぷく君にヒント URL 渡辺 2005/03/19 19:41
これは。tpknさんの33534『Re:言葉に詳しいとんぷく君に質問:とんぷく君にヒント』2005/03/11
http://otd2.jbbs.livedoor.jp/mondou/bbs_plain?base=33534&range=1
に対する返信です。
-----

tpknさんにヒントを出したつもりが、私が回答することになってしまったようです(^^)

> >  しかし、ヨーロッパ人が聞き違えたとでも?
tpknさん:>
> 聞き間違えるというよりも、ローマ字の綴りが当時の発音を忠実に表しているとは限らないということです。
> それぞれの表記体型の範囲でしか表記できないわけですから。つまり、簡単に言うと、日本語の「え(e)」が当時の宣教師達の耳にyeと聞こえただけなのか、実際にyeと発音していたのかはローマ字だけからは判定できないということです。

 ん?この時代には「え」「ゑ」が ye であったことは、tpknさん紹介のHPにも書かれていたはずですが...当時のローマ字表記は、実際の発音を表わそうとしたものと考えるべきでしょう。
 そもそも、ご紹介のurl にある橋本進吉『古代国語の音韻について』では、平安時代のe,ye,weが室町時代にはすべて ye になったと推定する根拠に、「室町時代の西洋人がyeで写した」ことをあげています。(岩波文庫, pp.157-8)
 しかし、外国人による表記は、政治・文化の中心地の支配者層のことばに基づくものとおもわれますので、発音が日本の津々浦々まで同じだったことを意味しているわけではありません。
 なお、母音のeが、外国人には(子音から始まる) yeに聞こえたというのは、iとyが、どちらも「イ」に聞こえてしまう日本人の発想です。
 tpknさんのいう「後段」の、「え」を「え」、「ゑ」を「イェ」と区別していた人がいたのでは、というのは別の話題として挿入したものです。

> >  少なくとも17〜18世紀には、江戸はイェドと発音されていたと考えられます↓当然、「ゑびす」は Yebisu になります。
>
> 江戸(えど)がyedoであったら、なぜ、「ゑびす」がyebisuになるのが「当然」なのでしょうか。
> わけがわかりません(笑)。
>
> こういう単純な話になるのだろうと思って、わざわざあらかじめ資料を挙げていたのですが…(笑)。
> 再掲しますね。
> http://www.aurora.dti.ne.jp/~zom/Kyo-to/Shiryo-/eyeben.html

 ん?少なくとも、江戸時代が始まったときには「へ」「え」「ゑ」がいずれも ye ということについては、私も否定しておりません。当然、 Yedo, Yebisu というローマ字になるはずですが。
 余談ですが、江戸時代には江戸を「ゑど」とする表記があります。

 ところで、 url を書いて、こっちを見ろ、あっちを見ろというのは結構ですが、せめて、そのページの記述のどこを見ろというのか くらいは明示してほしいものです。ウイリー君を探そうみたいな、urlの紹介はやめましょう。
 
> なるほど。『¥の歴史学』は読みたいと思っていた本ですが、まだ読んでいませんでした。そこではそういう経緯が明らかにされているのですね。さて、ここで渡辺さんが言っていることは、ひとつ上の段落で言っていることと矛盾していることがおわかりでしょうか。ヘボン以外のものは、すべてのeをye(je)で表記していますね。江戸(えど)も蝦夷(えぞ)も越後(ゑちご)も、すべてjeです。つまり、ここでも「え」と「ゑ」の発音上の区別はなく、要するにヘボンは、慣習的に使われてきたye表記をeに改めたということでしょう。

 ヘボンも最初はyeとしていたことは前の投稿に書いた通りです。明治10年代から辞書において ye が e になった理由は分かりません。ですから、私も一応、そこは従来のyeという表記が、当時の発音に合わせて e となった可能性がないわではないと、しております。
 なお、橋本進吉『古代国語の音韻について』では、「エ音オ音は、室町末期には ye wo の音であったろうと推察したが、京都語では今日では e o をとなっている。これは江戸時代において変化したのであろうが、その年代はまだわかっていない(エ音は九州・東北等の方言では明治以後も ye の音として残っている)。(p.174)としています。

 いずれにしろ、かつて、円は「いぇん」と発音されていた。そのローマ字は yen であった。日本の通貨単位が決められたときのローマ字表記では、円はyenであった。そういうことになります。

> >  ところで、私は子供の頃から、ゑは「イェ」と読むものと思っておりました。最近になって、パソコンでは「うぇ」を変換しないとゑの字が出ないことを知り、驚きました。確かに、五十音図でもゑはワ行になっています。
> >  ゑが「イェ」であるということを私に教えたのは、明治生まれの神奈川出身の家族のひとり以外に心当たりがありません。その人は、えは「エ」、ゑは「イェ」と区別して発音していたのではないかと思います。
>
> したがって、これもおそらくは違うと思います。その方は実際には「え」と「ゑ」については区別せずに発音し、「ゑ」とはyeであるということを知識として(つまり俗解として)渡辺さんにお伝えになったのではないかと思います。ちなみに、私の場合は、ずっとweだと思っておりました。なのに、なぜ恵比寿ビールはYebisuなのか、そういうわけで今でも不明です(笑)。

 「俗解」ですか(^^)
 我家で、「ゑ」は「イェ」という発音だという教育を受けたという私の”証言”は、一応、それも史料の一つだと思ってます。
 ところで、五十音図に「やゐゆゑよ(ya,yi,yu.ye,yo)」とするものがあるのですが、ご存知でしょうか?これは、「ゑ」が ye とういう発音であることを前提としたものです。
 
> >  ちなみに、造幣局の外国人技師が Yenを思いついたとか、en はインと発音されるといけないので Yen にしたなどという巷説は、私にとって噴飯絶倒ものです。これらの説をまともに検討するのは、少なくとも資料らしきものが出てきてからというこになりますね。
>
> 上の渡辺さんの話も、「え」「ゑ」そのものについての資料の検討はあまりなされていませんから、同じようなものだと思いますが…。

 「え」と「ゑ」の資料って(^^?
 円のローマ字表記が yen となることは、二次引用ですが資料によって示しましたけど?

 ちなみに、なぜ上の2つの説が私にとって"噴飯絶倒"ものかといいますと、
1) 造幣局(貨幣を製造するところだよ)のエンジニアに貨幣単位の決定をまかせるほど明治政府はいいかげん、あるいは、おちゃめだった?まさか(^^;
2) endを「インド」、endeを「インデ」と発音する欧米人がいる?英語圏でもenは普通に読めば [en] にしかならないけど...ずぶん発音のなまった人が円のローマ字表記を決めたもんだと。まさか(^^;
というか、英語の[i]は、日本語では「イ」と「エ」の中間の発音で、[in]は「イン」より「エン」に近い。 例えば、it is は、「イティイズ」ではなく、「エテエズ」に近いのです。en が「イン」となるというのは、子音[y]も母音[i]も「イ」としか認識できない日本人の想像の産物です。