33897 返信 Re:韓国政府声明全文翻訳 URL 兼松真哉 2005/03/25 21:43
tpknさん

> まず、権利と義務の問題ですが、たとえばお金を貸していない人に金を返せと要求する権利は認められないのと同様、支払い義務を有していない主体に支払えと求めることは正当な権利の範囲を逸脱しているのではないかと思います。

 まず、非人道的な行為を行った主体にはそれを償う責任があるということを私は公理として採用します。よって、そのことに同意いただけない場合は、tpknさんとは議論できないのかもしれません。
 前述の公理の上で、非人道的な行為を行った責任は金銭の債務のように右から左に渡せるものだと私は思いませんので、上記の例の「同様」だという考え方には同意いたしません。

> 日本の裁判所に訴えても敗訴の可能性が高いのは、日本国が支払う義務を有していないからです。で、なぜ支払う義務を有していないかといえば、経済協力金を支払うことと引き替えに国家賠償は韓国政府が行うという条約を結んだからでしょう。これは、まさに政治的な解決です。政治的な解決によって韓国が賠償や権利保護の義務を負うことになったのであれば、韓国政府はまずその義務を果たすべきです。...略...

 前述のように「右から左に渡せるものだと私は思いません」ので、条約を結んだことで「日本国が支払う義務を有していないからです。」という考えにわたしは賛同しません。そのことが、国際法の通説判例に一致しないとしても。

> ...略... すでにそれを知った以上、日本にだけ賠償を求めるのは順番が違いますし、ましてや韓国政府が「個人被害者に対する権利保護は普遍的人権問題であって国家は剥奪できない」などという屁理屈でそれを正当化することなどできないのではないでしょうか。

 「...国家は剥奪できない」という言明を、「屁理屈」とか理屈であるというように、わたしはみなしていません。それは、ひとつの理念とか思想だと思います。

> つまり、戦争被害を受けた被害者が日本を憎み、「わしはどうしても日本に賠償を請求するニダ!」と考えて日本に対して国家賠償請求を行うことはもちろん勝手であり、韓国政府にそれを阻止する権利も義務もないとは思いますが、少なくとも国家元首がそれを推奨する発言をするのはおかしいと思いますし、道理を欠いています。「やるのは勝手」と「権利を有する」はまったく違います。

 「韓国政府はまずその義務を果たすべき」には同意します。ですが、韓国政府が義務を果たそうが果たすまいが、「わしはどうしても日本に賠償を請求する」という方々に賠償するための法律を日本は制定し、そのような方々に謝罪と保障をする(そのことによって救済する)べきであると、わたしは考えます。
 そして、そのような被害者の方々の立場に立った発言を韓国の国家元首がすることをわたしは歓迎します。

> 「個人被害者に対する権利保護は普遍的人権問題であって国家は剥奪できない」

> 「権利を剥奪できない」であればわかりますが、「権利保護」は韓国国家の責務です。もしその個人被害者の権利が侵害されているのであれば、何よりもまずその権利を「保護」しなければいけないのは韓国政府ではないですか?

 おっしゃるように、文章の意味がよく分かりません。誤訳かもしれませんね。

> また、繰り返しになりますが、植民地支配および戦争中に生じた請求権の一切は、条約の文言により「範囲外の事案」たりえないのです。

 すくなくとも、「わしはどうしても日本に賠償を請求する」という方々は「範囲外の事案」だと、わたしは思います。条約を文字通りに解釈して、それに固執するよりも、被害者をより満足させる方法で救済するほうが人道的に好ましいと、わたしは思います。

> これはどうでしょうか。たとえば兼松さんが「範囲外の事例」とおっしゃるものは強制連行問題や従軍慰安婦問題ではないかと思いますが、こうした問題が日本政府や軍の証拠隠滅や資料隠蔽によって隠されてきたという事実はあるのでしょうか?

 「こうした問題」を「強制連行問題や従軍慰安婦問題」かつ韓国人と限定すれば、そのような事実をわたしは知りませんが、中国人の強制連行については、以下のような事例があるようです。
 http://homepage3.nifty.com/hushimiheiwa/iseki.htm
 しかし、そのような直接的な例があるなら「誠実さに欠ける」と述べているのではなく、とにかく、資料の焼却が例外的とは言えない程度に行なわれたという事実があるから、そのようなことをした連中は「誠実さに欠ける」と述べました。(資料焼却があったこと自体は御存知でしょうが、事例は以下などで紹介されています。)
 http://t-t-japan.com/bbs/article/t/tohoho/6/gnsqrf/ouaqrf.html

> ...略... いま現在の状況というのはむしろ、韓国が日韓基本条約の重要な部分をずっと非公開にしてきたことで起こっている問題でしょう? そこをすっとばして日本への賠償請求を是とするのは、それこそ「誠実さに欠ける相手を免責する」ことになるのではないですか?

 前述のように、「韓国政府が義務を果たそうが果たすまいが」と考えておりますので、韓国政府の免責よりも、被害者の救済の方を重視しております。韓国政府の糾弾は韓国国民におまかせすれば十分であると思います。

> >  これは、たとえが適切でないと思います。あげられた例は、日韓基本条約の時点であきらかになっていた戦争被害について、再度支払いを要求することに該当すると思います。

> 「明らかになっていなかった戦争被害」とは、どのようなものでしょうか? また、それが明らかになっていなかったことは、日本政府に責任があるのでしょうか? この二点がはっきりすれば、兼松さんのおっしゃることも一理あるかとは思います。

 御推察のように、従軍慰安婦問題です。(他にもあるでしょうが、知識不足なので限定します。)
 そして、それが明らかになっていなかったことは、日本政府に責任があると、わたしは考えます。その理由は、報道されたように、以下のような政府の対応と資料の発見が1990年代であり、このような事実を明らかにすることを日本政府は結果として怠ってきたからです。(もちろん、わたしを含む日本の有権者にも責任はあります。)

 「従軍慰安婦」1、日本政府の対応
 (http://www.han.org/a/half-moon/hm011.html#No.104)