33926 返信 Re:韓国政府声明全文翻訳 (半月城さんの投稿・参考までに) URL 五番街 2005/03/26 15:17
兼松さんとtpknさんの議論に関し、関連する半月城さんの投稿を引用しておきます。ご参考までに


> ▼兼松真哉さん
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> >  「支払う義務」は日本政府にあるが、日韓基本条約によれば、その「支払う義務」を韓国政府が引き継いだことになります。しかし、個人被害者が日本政府に直接賠償を請求する権利を剥奪することはできないので、「支払う義務」を韓国政府が引き継いだということに、個人被害者は拘束されない、そのようにわたしは考えております。
> >  しかし、このような考えで日本の裁判所に個人被害者が訴えても、敗訴の可能性が高いのでしょう。ですから、個人被害者を救済する法律を日本は制定するべきだとわたしは思います。(政治的な解決)
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> 失礼ながら、非常に倒錯した議論だと思います。
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> まず、権利と義務の問題ですが、たとえばお金を貸していない人に金を返せと要求する権利は認められないのと同様、支払い義務を有していない主体に支払えと求めることは正当な権利の範囲を逸脱しているのではないかと思います。
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> 日本の裁判所に訴えても敗訴の可能性が高いのは、日本国が支払う義務を有していないからです。で、なぜ支払う義務を有していないかといえば、経済協力金を支払うことと引き替えに国家賠償は韓国政府が行うという条約を結んだからでしょう。これは、まさに政治的な解決です。政治的な解決によって韓国が賠償や権利保護の義務を負うことになったのであれば、韓国政府はまずその義務を果たすべきです。その上で、それでもなおかつ個人被害者が日本に国家賠償を求める場合は、なんらかの方策を論じるのもありかとは思います。
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> ところが、いま現在の兼松さんの議論では、韓国政府は果たしてその義務を遂行したのかどうかという視点がまったく欠落しているので、倒錯した議論に見えるわけです。そもそも今年の1月まで、韓国民のほとんどは賠償義務が韓国政府にあることを知らなかったわけで、だからあれほどの大騒ぎになったのです。知らなければ、日本に賠償を求めようとするのもいたしかたないですが、すでにそれを知った以上、日本にだけ賠償を求めるのは順番が違いますし、ましてや韓国政府が「個人被害者に対する権利保護は普遍的人権問題であって国家は剥奪できない」などという屁理屈でそれを正当化することなどできないのではないでしょうか。
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> つまり、戦争被害を受けた被害者が日本を憎み、「わしはどうしても日本に賠償を請求するニダ!」と考えて日本に対して国家賠償請求を行うことはもちろん勝手であり、韓国政府にそれを阻止する権利も義務もないとは思いますが、少なくとも国家元首がそれを推奨する発言をするのはおかしいと思いますし、道理を欠いています。「やるのは勝手」と「権利を有する」はまったく違います。
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> >  「個人被害者に対する権利保護は普遍的人権問題であって国家は剥奪できない」という考えかたを採用した上で、「1965年の日韓基本条約(原語/韓日協定)の範囲外の事案については、人権尊重と人類普遍的規範の遵守という次元から、被害を受けた個人に対して日本政府が解決するように促す。」という言及も、政治的な解決を日本に求めていくということだと、わたしは理解しています。
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> そもそもこの文章自体がおかしいのです。
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> 「個人被害者に対する権利保護は普遍的人権問題であって国家は剥奪できない」
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> 「権利を剥奪できない」であればわかりますが、「権利保護」は韓国国家の責務です。もしその個人被害者の権利が侵害されているのであれば、何よりもまずその権利を「保護」しなければいけないのは韓国政府ではないですか?
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> また、繰り返しになりますが、植民地支配および戦争中に生じた請求権の一切は、条約の文言により「範囲外の事案」たりえないのです。
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> >  わたしは、「完全かつ最終的に解決した」というのは公序良俗に反すると考えています。その理由は、次のとおりです。終戦のころに日本政府や軍は資料を破棄したりするなどの証拠湮滅を行ったこと、現在でも、非公開の資料を公開するよう現代史の研究者などが求めているという現実があることから、日本政府は誠実さに欠ける相手であり、そのような相手を免責することは、人道や正義に反すると考えています。
>
> これはどうでしょうか。たとえば兼松さんが「範囲外の事例」とおっしゃるものは強制連行問題や従軍慰安婦問題ではないかと思いますが、こうした問題が日本政府や軍の証拠隠滅や資料隠蔽によって隠されてきたという事実はあるのでしょうか? また、すべての資料を公開していないのは韓国も含めたすべての国家に言えることであって、いま現在の状況というのはむしろ、韓国が日韓基本条約の重要な部分をずっと非公開にしてきたことで起こっている問題でしょう? そこをすっとばして日本への賠償請求を是とするのは、それこそ「誠実さに欠ける相手を免責する」ことになるのではないですか?
>
> >  これは、たとえが適切でないと思います。あげられた例は、日韓基本条約の時点であきらかになっていた戦争被害について、再度支払いを要求することに該当すると思います。
>
> 「明らかになっていなかった戦争被害」とは、どのようなものでしょうか? また、それが明らかになっていなかったことは、日本政府に責任があるのでしょうか? この二点がはっきりすれば、兼松さんのおっしゃることも一理あるかとは思います。
>
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それでは、日韓請求権協定(1965)における無償の3億ドルは何だったのか
ということになりますが、日本政府の見解では、これは経済協力金、独立のお
祝い金という説明でした。
  一方、これを植民地清算金と考える韓国政府のほうは、この3億ドル相当
の10年間にわたる物資供与などを経済建設に利用し、協定から10年を経た
時点で、戦時中に死亡した韓国人非徴用者や軍人・軍属への補償を行いました。
ただし、在日韓国人は協定外として、対象から除かれたことはいうまでもあり
ません。

http://www.han.org/a/half-moon/hm059.html#No.384

>政府間で決着したことになっているのなら、論理的にはその後の解決は
>本来その国、地域内で行われるべきです。ですから、韓国、中国その他に
>おいても日本の植民地化政策の被害者たちは日本国に対する請求権は
>論理的には有りません。感情的に訴えたくなる気持ちは分かりますが。

  伊藤さんは、日本の植民地化政策による被害外国人は日本に対し請求権が
ないと考えておられるようですが、当の日本政府はこのように考えていないよ
うです。意外に思われるかもしれませんが、日本政府はたとえば1965年に
結ばれた日韓条約について、次のような見解を持っています。

   「・・・いわゆる日韓請求権協定におきまして、両国間の請求権の問題
は最終かつ完全に解決したわけでございます。その意味するところでございま
すが、日韓両国間に存在しておりましたそれぞれの国民の請求権を含めて解決
したということでございますけれども、これは日韓両国が国家として持ってお
ります外交保護権を相互に放棄したということでございます。したがいまして、
いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものでは
ございません。日韓両国で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げ
ることはできない、こういう意味でございます」
(1991.8.27 衆議院予算委員会会議録第3号10ページ)

  この見解からすると、賠償・補償問題はたとえ国家間で解決済みであって
も、加害国に対する個人請求権は消滅していないようです。といっても、国家
間では解決済みなので、一部の例外を除き、被害者の政府が個人のために外交
的に補償要求をするのは困難なようです。

http://www.han.org/a/half-moon/hm037.html#No.255