33950 返信 Re:通牒『軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件』 URL 指環 2005/03/26 22:39
 おっちゃんさん、初めまして。
 火の鳥草さんの投稿が、だんだん意味不明になっていくので、おっちゃんさんのご投稿の方に先にレスさせていただくことにします。 

> >慰安所の多くは民間業者により経営されていたが、一部地域においては、旧
> >日本軍が直接慰安所を経営していた事例が存在したこと、民間業者の経営にか
> >かる場合においても、旧日本軍において、その開設に許可を与え、あるいは、
> >慰安所規定を設けてその利用時間・利用料金や利用に際しての注意事項を定め
> >るほか、利用者に避妊用具を義務づけ、あるいは、軍医が定期的に慰安婦の性
> >病等の病気の検査を行うなどの措置を採り、さらには、慰安婦に対して外出の
> >時間や場所を限定するなどしていたところもあったこと、利用者の階級等によ
> >って異なる利用時間を定めたり、軍医が定期的に慰安婦の性病等の検査をして
> >いた慰安所があったこと
>
> これはそのまま(一部地域を除いて)慰安所のほとんどが民間業者により経営されていたという事実が述べられている文章です。

 そうです。軍慰安所の多くは軍直営ではありませんでした。けれども、民間業者による経営といっても、軍が専門の売春業者に業務委託するという方式で運営していました。その場合でも慰安所そのものは軍が作った、まぎれもない軍の施設だったと言えます。
 例えば、文部科学省庁舎の中の職員食堂などは、民間業者に業務委託され民間業者が経営するものであったとしても、その職員食堂そのものは、まぎれもない文部科学省の施設です。文部科学省が専門の業者を入れて運営しているのであって、文部科学省とは無関係の民間の施設だとは誰も思いません。
 同様に、軍慰安所も、専門の売春業者に業務委託して運営していたからといって、民間の施設だったとか、民間経営が主体の施設だったということには少しもなりません。

> 開設許可や営業規定あるいは立入り検査などは現在でも民間の飲食店やパチンコ店に対して行政(保健所や警察)が行っていることとさほど違わないでしょう。管轄する保健所も警察機構も行き届かない戦地ならば軍が「関与」するのは当然のことです。

 ここは極めて重要な所です。従軍慰安婦問題で最大の論点です。
 つまり、国家機関の「関与」と言っても、二通りあるわけです。

A.民間の売春所に対し、国家機関が開設の許認可を行ったり、内部規則を提出させたりして、
 その運営が適正に行われているか否かをチェックするという行政的規制を行う。

B.国家機関が民間に命じて売春所を作らせ、国家機関自ら、その売春所の内部規則を作り、
 売春所の運営を行う。ときには、国家機関自ら、売春所を作り運営する。

 ↑このAとBでは国家機関の「関与」と言っても、意味が全然違うわけです。その売春所で何かがあったとしても(例えば、強制売春、未成年者の使役)、Aの形態であれば、国家の責任は一般行政上の不作為責任に止まることになります。しかし、Bの形態であれば、直接的な責任が国家に生じます。
 そして、Aは、公娼制度における貸座敷業者に対する警察の関与の形態、あるいは今日の風俗産業に対する警察の関与の形態です。
 軍慰安所制度に対する軍の関与の形態は、AではなくBであったというのが歴史上の事実です。

 これについては、今後の議論のために、さらに整理しますと、

(1)軍慰安所の設置を決めたのは、軍だったのか、民間業者だったのか(軍が自ら設置を決め
 たのか、設置を許可しただけだったのか)。

(2)軍慰安所の内部規則や料金を決めていたのは、軍だったのか、民間業者だったのか(軍は
 内部規則や料金を自ら決めていたのか、内部規則や料金に制限を科していただけだったのか)。

といった論点が重要になると思います。また、

(3)軍慰安所が民間の施設だったのなら、それに対する行政的規制の管轄は外務省(領事館)
 のはずだ。軍が行政的規制を行っていたのは不自然ではないのか。

という疑問が当然、発生します。