33975	返信	Re:通牒『軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件』	URL	指環	2005/03/28 00:53
おっちゃんさんへ > >　例えば、文部科学省庁舎の中の職員食堂などは、民間業者に業務委託され民間業者が経営するものであったとしても、その職員食堂そのものは、まぎれもない文部科学省の施設です。文部科学省が専門の業者を入れて運営しているのであって、文部科学省とは無関係の民間の施設だとは誰も思いません。 > > その場合、文部省は（あるいは民間業者も）委託契約の証拠をいくらでも提示するとこができるわけです。公的施設の占有、他業者の排除等に関わる事柄ですから、契約書とかいろいろあるでしょう。　軍慰安所についても、今日出てきている資料は、軍の関与が監督・統制に止まらず、運営に関しても完全に軍がとりしきっていたことを示しているのです。　結局、軍慰安所は軍の内部組織となっていて、軍と民間業者の関係は、文科省と文科省庁舎内の職員食堂経営を文科省から委託されている民間業者の関係と全く同じなのです。　この板のこれまでの議論で、軍直営の慰安所があったかなかったか、というのがありましたが、実は、軍直営の慰安所があったかなかったかは、さほど重要な論点ではありません。軍慰安所は、軍直営であれ、民間業者経営の形であれ、軍の内部組織であり、軍の後方兵站施設であった点に変わりはないからです。 > それにいくら戦前・戦中のこととはいえ「職員食堂」とは例が不適切です。現代で言えば「ノーパン喫茶」とまでは言わないにしても「パチンコ屋」とか「酒場」くらいにしておいてください。 > 「慰安所」は間違いなく「娯楽施設」であり食事などの生活の必然事項とは比較できません。 > > 文部科学省庁舎の中に委託業者の経営する職員酒場があれば・・・今も昔もそんなこと許容されるはずはないでしょう。　おっちゃんさんの仰ることは大変よく分かります。文部科学省庁舎の中に委託業者の経営する職員酒場があることなど、今も昔も許容されるはずありません。ましてや、文部科学省の庁舎内に職員専用の売春所があり、文部科学省の職員がそこで買春するなんて、戦前・戦中だって許容されるはずのない話です。　ところが、その、常識では考えられないことを日中戦争・アジア太平洋戦争での日本軍は行っていたのです。 > そういう意味でも、軍が「関与」する範囲（施設の設置場所や経営主体）はきちんと限定されていたはずです。　↑この部分は、仰りたいことがちょっと分かり難いのですが、軍慰安所に対する軍の「関与」の範囲が行政的規制（設置の許認可、内部規則のチェックなど）に限定されていたはず、という意味でしたら、そうではありません。 > >Ｂ．国家機関が民間に命じて売春所を作らせ、国家機関自ら、その売春所の内部規則を作り、 > >　売春所の運営を行う。ときには、国家機関自ら、売春所を作り運営する。 > > ということで、まずこれはあり得ないと思います。　常識で考えれば、あり得ないと思うような話です。ところが資料を見る限り、軍は慰安所の設置も指示しているし、慰安所に使う建物の接収あるいは建築、慰安所の内部規則の作成、他の国家機関（内務省）へ慰安婦の徴募の要請なども行っています。　戦争遂行のため、通常ではあり得ない非常識なことを行っていたのが、当時の日本軍の真の姿だったのです。 > >（３）軍慰安所が民間の施設だったのなら、それに対する行政的規制の管轄は外務省（領事館） > >　のはずだ。軍が行政的規制を行っていたのは不自然ではないのか。 > >という疑問が当然、発生します。 > > 戦地においては軍は外務省・大蔵省の管轄事項を代行することがあります。 > 本来なら警察の仕事である治安維持、大蔵省の仕事である紙幣（軍票）の発行などもその一例ですね。　ここで問題になっているのは、占領地での邦人の営業に対する監督・規制の話ですね（その管轄は領事館となっています）。　それで、もし、軍がその管轄事項を代行するのでしたら、そのための法令を制定する必要がありますし、代行する場合は現にそうしています。　おっちゃんさんにお尋ねしますが、軍慰安所に対する監督・規制の管轄事項を軍が代行できるようにした法令があったのでしょうか？　私は見たことがありません。もし、ご存知でしたら教えてください。　実際、日中戦争下でも領事館警察が占領地での一般邦人の営業に対する監督・規制を行っていました（外務省への報告も残っています）。ところが、軍慰安所に限っては、邦人の営業にもかかわらず、領事館の警察権は及ばず、軍の監督下に置かれていました。　これは、軍慰安所が民間の施設ではなく、軍の内部組織であったためとしか考えられません。軍の内部組織ならば、領事館の権限が及ばないのは当然ですし、軍が監督・規制を行うのも、軍内部のことなのだから当然だということになります。