33991 返信 中国についての知識の不足 URL 小林 哲夫 2005/03/29 08:23
スクイボンさん 反論有難うございました。
反論の趣旨理解し、賛成します。
今回は東洋=中国の説明をします。

中国文明の偉大さ
隣国であり、歴史上多くのことを学んだ中国についての知識がかつて無いほどに貧困になっております。
明治の文明開化で西洋文明崇拝に切り替えて以後、中国を勉強する人は激減したのですが、それでも文筆家や思想家に中国知識が残っていたし、戦前は中国を侵略したこともあって、知識を持った日本人は多かった。
それが戦後、文明のアメリカ化が完成して、中国への知的関心は消滅してしまった。
戦後の日本人はマルクスの目を持って中国を見ていて、アジア的停滞社会とかアジア的専制とかという知識不足丸出しの認識しかないようです。

今の若い人の中に、中国歴史、漢詩、唐詩、水墨画、陶磁器、小説を知っている人はどれほどいるだろうか?

そういう知識不足を良い事に、歴史書を一冊読んだ程度の評論家が、中国脅威論をぶち上げて日本人大衆を騙しているのは嘆かわしい。

19世紀までの中国文明の世界史の中での位置付け、その偉大さを理解できる日本人は皆無になりました。

それが日本人の世界観に重大な欠陥となっています。

日中戦争の原因
日中戦争の大失敗は、中国を知らなかったことにありますが、そのことを反省できている知識人は少ないようです。

またその日中戦争の原因は日本人の中国人蔑視とそれに対する中国人の反感だと私が説明しても理解できる人がいないのには驚きます。

現在の反日感情も反中感情も戦前の感情対立の繰り返しだといっても、これもさっぱり実感が沸かない様子には本当に驚きます。

戦争はどういう風にして起きるのか?ということを考えられる知性が日本には存在しないと見えます。

中国を実感で知っている人がおらず、歴史教科書的な知識で論じている人しかいません。

これでは基本的に健全な交流が出来るはずがありません。
(先方の日本知識の貧困事情はもっとひどいこともあって・・・。)

西洋は侵略的、中国は防衛的

私は中国は「覇権的国家」ではあるが、侵略的国ではない、と説明したいのですが、これが理解できる人はいないでしょう。

有名な万里の長城は、異民族の侵略を防ぐ目的で作られたもので、中国の本質を表現しています。

清朝がチベット、新疆ウイグル、モンゴルなどを藩部としたのも異民族侵略の緩衝地帯とするためであり、朝鮮、ベトナムなどを朝貢国として支配下に置いたのも、同じ理由からで、西洋の植民地のように主権を完全に奪うことも、経済的に搾取することもない、穏健な支配であった。
冊封体制の実際を、西洋の植民地政策と比較して、学問的に分析する必要があります。
現在の中国の国際行動の目標も清朝時代の版図を維持・回復するまでの限度であって、それ以上の侵略の意図はないことが理解できる人がいません。

中国は歴史上日本を侵略しようとしたことは無く、今後もありえません。(蒙古来襲は例外)

そもそも冷戦終結後の世界で如何なる侵略があり得るのか?ということを考えた人もいない状況です。
16世紀の海賊国家の時代の侵略に備えようと考えている日本人が多いのには、その時代錯誤振りに驚かざるを得ません。

現代の戦争がどういう原因で何を目的に行なわれているかの分析も無くて、むやみやたらと、会族的な侵略を恐れているのはまるで噴飯ものです。
如何なる外交的対立に、軍事力がどのように有効に機能しているか?ということを説明できる人に会ったこともありません。

現代の戦争は、民族間の憎悪が大きな原因であり、経済的利得や領土的欲望では無い、という認識も日本人には理解されていないようです。

このような日本人の知識不足な状態では、世界平和に貢献できるはずがないのに、何が何でも常任理事国に成りたがっている様子は、まことにこっけいな気がします。