34189 返信 Re:民族間憎悪を煽る工藤さん。 URL とほほ 2005/04/11 06:07
> 以下へのお返事はタイトルのごとし。

タイトルに関連して。

昨今の、中・韓教科書攻撃言説の中に少なからず見受けられるものに「中・韓は反日的だがアジア一般ではそんなことはない、特にインドネシアは親日的である」と言う言説がある。確かに傾向としてそう言うこともあるのかもしれない、特にインドネシア政府は終戦直後から親日的な事は有名である。

しかし、これは「日本の戦争は解放戦争であった」と言う根拠として語られるのは間違いである。親日インドネシア政府が戦後一貫して行ってきた弾圧政策は戦前日本を全く模倣したものであるのだから戦後インドネシア政権が親日であるのは当然なのだ。しかしインドネシアの民衆にとっては親日インドネシア政権、旧日本政府ともに抑圧政権であることに変わりはない、東ティモールの出来事は記憶に新しい。

つとにフィリピンも親日的である、歴史的にみてもフィリピン人は日本人が好きである、これもしかしなぜフィリピン人が日本人に好意を寄せるのか?と言うことを隠している、高山右近はその銅像が庶民に大変親しまれているのであるが彼の銅像があるのは彼がカトリック教徒として日本で迫害を受け流刑された日本弾圧政権(豊臣政権)による【殉教者】だからである。パターン死の行進を始めとした日本軍国占領への憎悪はよく語られているものでフィリピン人民にとって忘れる事の出来ない、地獄絵図の記憶なのである。

そうした東南アジア諸国や台湾の親日感情(これは実は中韓とて同じ)は「もう今の日本は昔の日本とは違う、許してあげよう、仲良くしよう」と言う理念の下にある、そうした親日感情に対して我々は感謝し多いに過去を反省せねばならないに関わらず、過去を正当化し事実を歪曲しようとする勢力に、そうした親日感情を根拠にされたのでは「アジアの親日」に対する侮辱でしかない、最近の中・韓の反日感情も当然の事である。

さてそのインドネシアの教科書にはどのように書かれているのだろうか、先日某MLにその情報が流れたので許可を得て以下に転載する。

--- 以下 ---
少し遅れた話題ではありますが、教科書に関する社説についてです。
朝日新聞によれば、扶桑社の教科書は、

>  今回、「アジアの人々を奮い立たせた日本の行動」
> 「日本を解放軍としてむかえたインドネシアの人々」という囲み記事が新たに登場した。日本が占領した地域の代表者らを集めた「大東亜会議」もくわしく説明している。

などとたわけたことを書いているのだそうで。これでよく検定に通ったものだと思います(笑)。
確かにインドネシアの人々が歓迎したのは事実だそうですが、「だがしかし」と続くのです。
インドネシアの教科書(1988年版なので今はどうなのか不明ですが)によれば、以下のようになっています。

**** [1]より引用 ****
インドネシア 中学校用「社会科学・歴史科 第五分冊」(一九八八年版)
 「当初、日本軍の到来はインドネシア民族に歓迎された。インドネシア民族は、長く切望した独立を日本が与えてくれるだろうと期待した。
  どうしてインドネシア民族は、このような期待を持ったのだろうか。それは
日本がやってきてまもなく、つぎのような宣伝を展開したからである。

−日本民族はインドネシア民族の「兄」である。日本がきた目的は、インドネシア民族を西洋の植民地支配から解放することである。
−日本は「大東亜の共栄」のために開発を実施する。

 その実体はどうであったか。日本時代にインドネシアの民衆は、肉体的にも精神的にも、並はずれた苦痛を体験した。日本は結局独立を与えるどころか、インドネシア民衆を圧迫し、搾取したのだ。その行いは、強制栽培と強制労働時代のオランダの行為を超える、非人道的なものだった。資源とインドネシア民族の労働力は、日本の戦争のために搾り取られた。」
**** 引用おわり ****

「当初はAとして喜んでいた。しかし実際はBだった」の「Bだった」という部分を省いてしまうのは、かなり問題であると言わざるを得ないでしょう。普通「だましている」というような気がしますが。

ここまで書かないと事実を伝えてないのですが、扶桑社の教科書はここまで書いてないですね。
それが隠しているのが気がついてないのかまでは知りませんが。

各社いろいろ書いているわけですが、納得が行かないのが読売新聞の社説のこの部分。

> 歴史教科書に従軍慰安婦についての記述が登場した背景には、慰安婦はすべて強制連行によるものという誤った歴史認識が内外に広まったことがあった。
>
>  日本の一部勢力が、戦時の「女子挺身(ていしん)隊」という勤労動員制度について、「慰安婦狩り」だったかのように、喧伝(けんでん)したためである。
>
>  その誤りが明らかになった以上、慰安婦に関する記述が教科書から削除されるのは、当然のことだろう。

確かに混同されていたそうですが、
だからといって従軍慰安婦という制度そのものがなかったわけじゃありません。
正しい実態を書けばいいだけのことです。すべてをなかったことにするのは誤りです。
ETVの時もそうでしたが、どうも論理展開に問題があると思います。

参考文献
[1] http://www31.ocn.ne.jp/~hinode_kogei/DATA.html#asian_point