34208 返信 Re:中国反日デモ URL Josef 2005/04/11 17:41
小林さん

>私はこの反日感情を、両国が国民国家に成長するための一段階だと解釈しています。
>
>日本は明治維新のときに国民国家に脱皮するために、両国を侵略しました。
>
>今回は両国が国民国家に脱皮するために、民族意識が燃え上がり、排外的
>ナショナリスムにのめりこんだものと解釈できます。
>
>明治時代の日本の侵略は相手方に何の落ち度も無かったのですが、今回の反日には
>過去の日本の侵略という背景があることを、自覚しなければならないと思います。
>
>つまり過去の侵略があろうが無かろうが、両国のナショナリズムは隣国である日本が
>自ずとターゲットになるという宿命にあります。
>その排外ナショナリスムに日本の過去の侵略という口実が加わるのですから、
>もう止めようがないと思われます。
>
>これは小泉首相が靖国参拝を止める、などという小細工で収拾がつく問題では
>なくなっている、と私は思います。
>
>中国、朝鮮を侵略しなければ止まらなかった、日本の明治時代のエネルギーを
>思い出してみれば、この深刻さが理解できると思います。

告天子さんの内容とやや重なりますが、私の考えを述べます。

「国民国家」という視点は重要だと思います。明治日本が「国民」を作り出そうとしたように、とりわけ中国はしばらく前から意識的に「国民」を作り出そうとしていると思います。言い換えると近代的ナショナリズムの醸成、ですかね。韓国の場合はちょっと違うようですが、従来からの反日感情に加えて、韓国国内のかつての日本協力者を炙り出そうとしているところからは、より高次のナショナリズムを目指しているようにも思えます。「高次の」というのは、日本憎し、からさらに進んで、「時代が時代だったから仕方がない」というような自国民の言い訳をも許さない、という、より厳しいナショナリズムという意味です。朴政権への批判なんかも、単に強権的軍事政権への批判というより、親日本的であったというナショナリスティックな観点からの批判意識が強いようです。

それはともかく、明治日本との大きな違いは、かつての日本には欧米列強の軍事パワーへの現実的な危機感があったのに対して、現在の中韓にそのような危機感はないという点です。それゆえ新たな「国民」の醸成には明治日本以上に作為的・人工的な操作を必要とする、と思います。平たくいえば、ナショナリズム醸成のためには敵が必要で、日本をことさらに敵視する必要がある、ということです。
しかし幸いなことに----中韓のナショナリストにとっては不幸なことに----現実の日本はそのような敵視に値する危険な国ではありません。だから歴史認識とか孤島の領土問題のように、国全体からみれば小さな問題に大騒ぎをする、といったことしかできない。それが現実であり、小林さんがおっしゃるような「深刻さ」は実は存在していない、と私は思います。はっきりいえば、中韓はそれぞれに一人相撲をとっていて、とばっちりを受けて日本は「困ったなあ」と言うしかない状況、それが現状だと思います。

だからですね、小林さんと違って私は、「小泉首相が靖国参拝を止める」だけでも状況は簡単に変わる可能性が高いと思います。しかしそこでいったん盛り下がっても、またちょっとしたこと(たとえば今回のアサヒビール絡みのデマのような)で盛り上がる可能性もある。どっちにしても中韓の国内問題であり、日本の側から決定的なことは何もできないのではないかとみています。日本としては、その都度、正論を冷静に主張していくのがベストです。中韓に対してだけでなく、国際社会に対して。黙っていたら非事実も事実にされちゃいますからね。