| 34221 | 返信 | ネーションになる中国 | URL | 小林 哲夫 | 2005/04/12 08:24 | |
| ネーションという言葉のこなれが悪いようなので、もう少し解説します。 フランス革命をつぶそうと近隣国が軍隊を差し向けたのに対して、フランス国民全員が立ち上がって、戦ったのがフランス軍の強かった理由で、この強兵を持ってナポレオンがヨーロッパを席巻して以来、国民軍の強さが認知されて、他の国もこれを模倣することとなりました。 強い軍隊は、国を守る気概を持った兵士が作るものであり、その気概を作るためには民主主義の形態を取って、政治への国民の参加が保証されねばなりません。 また守る気概を持てる国の単位として、民族(ネーション)という単位が、重視されて国民国家の概念が出来ました。 日本では高杉晋作の奇兵隊が、その始まりです。 明治政府が封建制を廃止したのも、福澤諭吉が民主主義を説いたのも、全て国民皆兵、徴兵制を導入しての強兵策が目的でした。 民主主義に熱心だった福澤諭吉や吉野作造も、自由民権運動の人達も、日清日露を煽ったことからこのことが証明できます。 近代という時代は、西洋の軍事力が世界を制覇する過程とみることができますが、つまり軍事力競争の時代と言えます。 人類は軍事力で他を圧倒することだけを考えていた時代とも言え、そのために民主主義が必要であり、経済発展が必要だったのです。 国を愛するという時の単位として、また仲間意識が持てる単位として、民族という単位しかない、と考えられました。 仲間意識という意味で、平等が重要であり、国政への参加意識の自覚として、民主主義が必須でした。 国民経済が離陸を始めるのと、国民国家になるのが同時に起こるのは、このような意味で、自然なものです。 つまり国民のエネルギーが抑えきれないほどに燃え上がる時期といえます。 中国は今そのような時期に当っていて、経済の発展とナショナリズムの高揚が同時に起こっています。 日本は明治時代にこの時期を経験して、エネルギーを抑えきれず、中国朝鮮を侵略しました。 この民族意識の高揚は、外国からの圧迫への反作用として起こります。 フランスでは反革命への対抗であり、日本は西洋の植民地主義への恐怖であり、中国の場合は日中戦争でした。 しかし外国の圧力というのは、民族主義発生の契機に過ぎず、本質はエネルギーの暴発にあります。 隣国に排外民族主義が発生すれば必ずその相手国にも同じ程度の排外民族主義が発生して、戦争に至るというのが今までの歴史でした。 フランスが国民国家になると、ドイツ、イタリアがこれに触発され、日本の国民国家化に対して、アメリカも軍国主義化したのが、太平洋戦争でした。 中国の反日民族主義に対しては、日本の反中民族主義が同期しています。 つまり日中間には巨大なマグマが動き始めていて、靖国問題のような小手先で解決できる問題ではない、ということです。 両国の良識が、この構造をきっちりと理解して、対処しないととんでもない悲劇を招く恐れがあると自覚すべきと思います。 私の提案する対策は、この構造の理解、ということです。 告天子さんの「何にもしない」という提案に賛成ではありますが、恐らく「何にもしないでいる」ということは出来なくなると予想されます。 「何にもしない」という選択が出来るような知恵を作り上げておかねばならないと思います。 |
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