34280 返信 Re:「何もしない」対策の内容 URL 告天子 2005/04/14 00:04
兼松真哉さん、こんにちは。

>  「暴発」とは、もうすこし具体的に何を指しているのでしょうか?

満州事変のことです。

>  たとえば、南京(大)虐殺などの非人道的行為ですか、それとも、中国での侵略行為を拡大し続けたことですか? 両方ですか? その他?

いわゆる南京大虐殺、つまり南京攻略戦での非人道的行為、ということではなくて、暴発、というのは、中央政府の命を待たずに軍部が独走した、という意味で言いました。

> > 中国のああいう政治デモ、反日デモ、そして日本人の虐殺に対して、政府が
> > 「何もしない」で、平和的に解決しましょう、といいつつ中国側は全く非協
> > 力的、口先だけ合わせておきながら、
>
>  これは事実と異なると思います。

私は具体的な事実を掲げて言ったわけではなかったので、勘違いをさせてしまったところもあると思います。南京事件に際しての日本政府の行動を、「何もしない」と評したのです。

いや、何もしないばかりではなく、むしろ軍に発砲禁止命令を厳命し、「南京での日本人虐殺など、ありませんでした」と外務省は公表しているのですから、「何もしない」よりなお悪いですね。

>  たとえば、第一次上海事変の直前に、日本山妙法寺の僧侶らが中国人に襲われた事件(*1)に始まる一連の事件の後では、以下の対応が行われました。
>

>  二一日村井倉松上海総領事は呉鉄城上海市長にたいして、僧侶事件について陳謝・加害者処罰・慰藉料提供および排日取締り・抗日団体即時解散を要求し、政府は軍艦・海軍陸戦隊を増派した。二七日村井総領事は翌日午後六時を期限とする最後通牒を発した。二八日午後三時呉市長は日本の要求の全部を承認する回答をおこなった。
>  (『十五年戦争小史 新版』(江口圭一著)の pp.49-50 (第4章 「上海事変と満州国」内))
>

>  日本政府と軍が連携して、武力を背景に中国側に圧力をかけていますし、すくなくとも、加害者処罰・慰謝料提供をするということは、「中国側は全く非協力的、口先だけ合わせて」などとは言えないと思います。

その時点だと、もうほとんど戦争状態に入っての話でしょう。私は満州事変前の話をしています。あと、「何もしなかった」というのは比喩ですから、中国政府や日本政府が、「全く何も行為をしなかった」ことを意味するのではないです。中国政府が、反日運動・・・を通り越した、「日本人や朝鮮人の虐殺」事件を、積極的になくすべく、平和を目指して動いていたのか、ということです。違うでしょう。「全く非協力的、口先だけ合わせて」というのは、国民党軍の南京事件での領事館員や武官、その家族への暴虐は、国民党政府とは無関係だったんですか?。違うでしょう。十分に組織された、計画的な外国人排斥のための組織行動、軍事行動であり、しかもそれは、まさに「陵辱、虐殺」そのものを見せつけることも、予定しての話だったでしょう。ですから、「口先だけ合わせて」などという話ではなく、実はなお悪いのです。


>  他にも、加害者や責任者の処罰を日本側から中国側に要求している例はあるとわたしは記憶しています。

そのくらいするのは当たり前です。

>  よく話題になる通州事件でも、「犠牲者に対する慰藉金、日本側機関に対する損害賠償」(*2)が行なわれています。

いわゆる、「金で解決」という話ですね。陵辱、虐殺の埋め合わせになると、お思いですか。というより、本気で中国側が、排日のために民間人を襲うことを、止めさせるべく努力でも何かしたのですか。しなかったし、また、出来るような状態ではなかった。

>  常連投稿者には、わたしよりはるかに詳しい方々がいらっしゃることでしょう。

全体に、兼松さんのご意見では、日本軍の活動を一概に「侵略行動」と決めつけた視点が、先に立っているように思います。当時に於ける、合法的活動と、非合法な「非人道的行為」、あるいは、どの行動を指して、何故に「侵略」というのか、細かく見ないとただ「日本軍のしたことは、全て侵略行為」、みたいな話になって収拾が付かなくなると思います。

私が「暴発」と言ったことに対して、それは大虐殺のことか、侵略のことかと、もう語勢を付けて問い質すような印象を受けましたが、「日本人の惨殺事件に対して、日中政府間の取り組みは、具体的な実を結ばなかったし、軍は居留民の保護、すなわち日本権益地内での安全確保という最低限の安全保障が、逆に日本国政府により、(平和主義外交により)禁じられた」、そういう話があって、だから暴発した。満州事変に突っ走ってしまった。そういう流れを、説明しているわけです。勿論、これで全部の説明にはなりません、もっと複雑な要素が、たくさん絡んでおります。



> > 日本国民や軍人、官僚への暴虐が止まるところを知らなかったため、でしょう。
>
>  「暴虐が止まるところを知らなかった」というのは主観的なものも含む評価ですので、誤りとは申しません。

そのように形容せずに、どう形容すればよろしいのでしょう。酸鼻を極めた虐殺が相次いだのですから。客観的になれる方が、余程不思議に思います。

>  しかし、わたしは、よく話題になる通州事件が最大の事件であり、これにくらべれば、他の事件で日本人が受けた被害はかなり規模が小さいのだから、

規模が小さくても、虐殺は虐殺です。単なる殺しではなく、人間として許されない、そういう「殺し」です。それを、「規模が小さいから」、というのですか。

日本人は少なくとも、悪かったという気持ちは持っていると思う。では、中国人は、ほんの少しでも、満州事変以前の、そして、戦争末期に於ける満州の、日本人虐殺を、「悪かった、本当にすまないことをした」と、そういう気持ちを表したことがあるか。


>  しかし、わたしは、よく話題になる通州事件が最大の事件であり、これにくらべれば、他の事件で日本人が受けた被害はかなり規模が小さいのだから、多くの中国人は日本の非軍人に対して暴力を加えたりなどしない人々であった。そのことを当時の日本人たちがもっと評価していれば良かったのに、と思います。

当時の日本人は、中国の人たちの全てが、悪鬼羅刹の如き暴民であると、憎み嫌って評価していたのですか。中国の多くの人たちは、それはそれなりに、普通の人たちでしょうよ、それを当時の日本人は、まるで評価していなかった、と?。そしてあなたは評価しているというわけですか。

じゃあ、そんな風に評価して、「みんないい人たちなんだから、決して手を出したり反撃したりしてはいけませんよ」、と、平和主義で手足を縛られたとき、反日テロ運動に現実に囲まれていた人たちは、一体どうすればよかったのですか。「いい人たちなんだから」と、甘んじて殺されるがいい、死んで中国人の善良さに殉ずるがいいとでも言うのですか。

>  当時の日本が中国大陸に軍隊を派遣し、その軍事力を背景に「権益」を維持・拡大(中国側から見れば権利の侵害)していた以上、日本の非軍人に対する中国人による暴力を完全におさえよなどという要求は、非現実的で無理な要求だったと思います。

完全に押さえるどころか、むしろ拡大を支持していたのではないのですか。完全に押さえよなどと、言えないし、言っても出来もしないでしょう。しかし、「非現実で無理な要求」をしているのは、むしろ兼松さんの方です。非軍人に対する中国人の暴力は、押さえられないのだから我慢しろ、と?。驚くべき非人道的意見だと思います。