34306 返信 Re:「何もしない」対策の内容 URL 兼松真哉 2005/04/15 00:25
告天子さん。

> 私は具体的な事実を掲げて言ったわけではなかったので、勘違いをさせてしまったところもあると思います。南京事件に際しての日本政府の行動を、「何もしない」と評したのです。

 了解しました。わたしも先走ってしまったと思います。
 しかし、1927年の南京事件であるのならば、「中国側は全く非協力的、口先だけ合わせておきながら、」というのは事実に反すると思います。南京事件の後で、いわゆる「反共クーデター」を蒋介石は実行したのですから、列強の要求に応じるために、蒋介石は再発防止策を取ったといえると思います。すくなくとも、「全く非協力的」などと言えるものではないでしょう。

> いや、何もしないばかりではなく、むしろ軍に発砲禁止命令を厳命し、「南京での日本人虐殺など、ありませんでした」と外務省は公表しているのですから、「何もしない」よりなお悪いですね。

 告天子さんのおっしゃる「何もしない」は、「一面では国民党軍兵士を刺激しないようにとの在留邦人の要望でもあった」(『帝国の昭和』(有馬学著) p.80)とのことですから、当時の政府の判断は、熟慮の上での判断だったと思います。その判断が適切であったかどうかは当時から異論がありましたが。
 ところで、「しかし、そもそも戦前に旧軍の暴発があったのは、...中略... 暴虐が止まるところを知らなかったため、でしょう。」と、34238番の記事で告天子さんは述べられました。このような因果関係をわざわざ述べられるということは、「暴発」の原因の主な原因が、「中国のああいう政治デモ、...中略...知らなかったため」とお考えなのだと推測します。しかし、その後の北伐の続行の過程において、南京事件への対応への反省から、日本は第一次山東出兵、第二次山東出兵を行っています。よって、日本は「何もしない」のままではなかったのですから、南京事件の「何もしない」が「暴発」の原因であるという因果関係は、まったく明確ではないと私は思います。

> >  よく話題になる通州事件でも、「犠牲者に対する慰藉金、日本側機関に対する損害賠償」(*2)が行なわれています。

> いわゆる、「金で解決」という話ですね。陵辱、虐殺の埋め合わせになると、お思いですか。というより、本気で中国側が、排日のために民間人を襲うことを、止めさせるべく努力でも何かしたのですか。しなかったし、また、出来るような状態ではなかった。

 「金で解決」以前に、日本側が反乱を鎮圧していますので、反乱を実行した側の者は死亡したか逃亡したと思われます。また、通州事件に関しては、日本の傀儡政権(*1)である冀東政府の保安隊によるものですから、国民党には責任はないでしょう。以上の詳細は(*2)をご覧いただければと思います。

 (*1) お気に召さなければ親日政権と読みかえてください。
 (*2) http://www.geocities.jp/yu77799/tuushuu/tuushuu1.html (「「通州事件」への視点」)

> 全体に、兼松さんのご意見では、日本軍の活動を一概に「侵略行動」と決めつけた視点が、先に立っているように思います。当時に於ける、合法的活動と、非合法な「非人道的行為」、あるいは、どの行動を指して、何故に「侵略」というのか、細かく見ないとただ「日本軍のしたことは、全て侵略行為」、みたいな話になって収拾が付かなくなると思います。

 すくなくとも日清戦争以降、中国で「日本軍のしたことは、全て侵略行為」と考えております。義和団事件に対する出兵ついては侵略とは言えないと(勉強不足のためもあるかもしれませんが、いまのところは)考えておりますが、この事件の事後処理に基づく駐留軍についても、日本が中国大陸に権益を得た後は、その権益を守る役割を持ったので、侵略軍になったと考えております。
 固有の領土の外で直接的または間接的(威嚇的な演習など)に武力を行使する行為は、以下を例外として、すべて侵略であると私は考えております。

  1.  固有の領土を防衛するために必要な武力行使である。(隣国から砲撃・ミサイル攻撃などをされているので、やむをえず隣国の軍事施設を破壊するなど。)
  2.  (強要などがまったく無い)現地の要請があって軍隊等を派遣する場合であって、かつ、目的が人権弾圧ではない。(侵略者を共同で駆逐するなど。) かつ、撤退要請があった場合は、すみやかに撤退する。
  3.  ポルポト政権による大虐殺や、内戦等である民族を殺戮している、などのような人権侵害行為を止めるために軍事的に介入する(国連による平和維持活動のような場合)。ただし、この項が含まれる箇条書きの前の文の「例外」に該当しない武力行使(侵略)をした侵略者集団に属する人々を駆逐する行為を止める行為は除く。

 以下は、上記への補足です。

  1.  前述の目的のための武力行使や治安維持に不可欠な活動以外の、軍民に対する人権侵害行為がきちんと処罰されなければ、前述の目的があっても、侵略である。
  2.  (満蒙特殊権益のような)列強のいわゆる「権益」の性格を持つ権益や利権を守るという目的で、現地の軍民に危害・損害(経済的な物を含む)・威嚇を加えることがある場合は、前述の目的があっても侵略である。(これは蛇足かも。)

 たとえ、上記の定義による侵略行為が、告天子さんのおっしゃる「当時に於ける、合法的活動」に該当するとしても、その「合法」というのは帝国主義列強の利権を擁護するのに都合のよい「合法」にすぎず、半月城さんの言う「狼どもの国際法」によって「合法」というにすぎません。そんなものは「やくざがみかじめ料を払えというのも、やくざのルールにおいては合法」というのと同じことだと私は考えております。

> 当時の日本人は、中国の人たちの全てが、悪鬼羅刹の如き暴民であると、憎み嫌って評価していたのですか。中国の多くの人たちは、それはそれなりに、普通の人たちでしょうよ、それを当時の日本人は、まるで評価していなかった、と?。そしてあなたは評価しているというわけですか。

 いわゆる南京大虐殺の頃、「暴戻支那膺懲」というスローガンや、柳川平助中将の「山川草木、全部、敵なり」という言葉があったこと、また、(*2)で述べられている「この事件は、日本の「暴支膺懲」を煽り立てる絶好の材料とされ」という報道があったことから、「中国の多くの人たちは、それはそれなりに、普通の人たちでしょうよ」というようには多くの日本人に認識されず、そのこともあって、中国での日本兵は掠奪・暴行・強姦・虐殺などを抑制できなかったのではないかと考えたのですが、当時の日本人の多くが評価していなかったという根拠を提示できませんので、この部分については撤回します。

> >  当時の日本が中国大陸に軍隊を派遣し、その軍事力を背景に「権益」を維持・拡大(中国側から見れば権利の侵害)していた以上、日本の非軍人に対する中国人による暴力を完全におさえよなどという要求は、非現実的で無理な要求だったと思います。

> 完全に押さえるどころか、むしろ拡大を支持していたのではないのですか。

 そういう人もいたでしょうが、蒋介石や毛沢東のような責任ある立場の人々が非軍人に対する暴力を支持していたという証拠はないと思います。1927年の南京事件については共産党関係者かソ連関係者があおったということはあったかもしれませんが。また、非暴力なデモのような運動ならまったく非難に値しないでしょう。

> 完全に押さえよなどと、言えないし、言っても出来もしないでしょう。しかし、「非現実で無理な要求」をしているのは、むしろ兼松さんの方です。非軍人に対する中国人の暴力は、押さえられないのだから我慢しろ、と?。驚くべき非人道的意見だと思います。

 我慢する必要はありません。現代なら退避勧告が出るような状況なのだから、中国から出ていけばよかったというのが私の考えです。そうすれば、日本の非軍人も暴力を受けずに済みましたし、日本兵が中国人を傷つけることもありませんでした。
 そして、結局、敗戦で出ていくことになったのですから、後戻りはできたはずです。