34328 返信 Re:「何もしない」対策の内容 URL 兼松真哉 2005/04/15 23:36
告天子さん。

> もちろん、「何もしない」と言っても、比喩表現ですから、全く何もしないわけではありません。山東出兵は、国民党の北伐への反応的対策でしょう?。日本居留民の安全保護への、抜本対策には全然ならんでしょう。しかし、満州国建国は、「抜本対策」だったわけですよ。

 で、「日本居留民の安全保護への」「抜本対策」を取ることが「暴発」の主な原因であるという因果関係は明確なのでしょうか? 経済的な利益をもたらす権益を維持・拡大することが主な原因であるという理由の方に私はより説得力を感じます。(中国統一による中国国力の増大と抗日意識の高まりによる、日本の権益回収をおそれた。)

> >  「金で解決」以前に、日本側が反乱を鎮圧していますので、反乱を実行した側の者は死亡したか逃亡したと思われます。また、通州事件に関しては、日本の傀儡政権(*1)である冀東政府の保安隊によるものですから、国民党には責任はないでしょう。以上の詳細は(*2)をご覧いただければと思います。

> 国民党に責任がないなら、傀儡政権の黒幕である日本国が、日本人虐殺の責任者である、とでも?。

 (直接の実行犯以外では、)当然そうです。権限を持つ者に主な責任があると考えます。

> そんな中で続発する日本人虐殺を何とかせねばならぬ、というのは、責任者であれば当然に考えることです。で、「どうすればよいか」について、兼松さんは「中国から、出ればよい」という解答な訳ですね。要するに、暴力による日本人排撃の目的は達成されることになるわけです。その解答は、「虐殺をした側」の要求を、そっくり呑むという話ですね。

 侵略者は出ていけという要求そのものは正しいのだから、正しい要求には無条件で応じるべきだというのが私の考えです。虐殺するような誤った行動をする人がいるから、それを口実に正しい要求に応じないというのは誤っていると思います。
 日本は、一度すべての「権益」を放棄した上で、それでも、通常の犯罪発生以上に日本人居留民が暴力の被害を受けるのならば、中国側と共同で治安維持を行う体制を作ることをめざすべきだったと思います。(中国側の協力が得られないなどで)それができないなら、治安が確立されるまでは、退避勧告を出すような地域として中国をみなすべきであり、強引に日本軍を入れるべきではなかったと考えます。

> では、中国人のしたことは、全て防衛行為であるから正当だと?。

 すべてではありません。通州事件のような無差別虐殺は正当だとは思いません。
 ただし、無差別でないならば、侵略者側の非軍人を殺害することを私は許容します。(推奨はしません。)軍服を着ていようがいまいが侵略者側の者は強盗殺人実行中の者とみなすべきである、というのが私の信念です。(軍服を着ているかいないかは役割分担であって、侵略者集団の一員であることに変わりはないと思います。)しかし、侵略者を駆逐する過程でやむをえない事情があるわけでもないのに、罪の無い子供を意図的に殺害することは許されないと考えます。
 また、侵略軍と共に侵略した地域にいる侵略者側の民間人の保護を侵略された側に求めることは、(侵略軍の保護によって可能な)侵略によって得た利益の亨受を認めることになり、侵略行為のうまみを認めることになります。そういうものは認めるべきではないと私は考えます。

> 侵略だ、というのは、「相手の方が悪いことをしたのだから、それに反撃を加えることは、何ら不当を問われるものではない」ことをも含むでしょう。

 通州事件のような無差別虐殺への反撃は、無差別虐殺の実行犯にのみ行われるべきであり、無差別虐殺の実行犯以外には一切危害・損害を加えてはならない、と私は考えます。このことを日本側が実行していたならば、日本側にも正当性がある、と私も考えたでしょう。もちろん、「権益」の放棄、九か国条約の遵守という、侵略的行為を一切行わないことも、正当性がある、と考える前提条件です。

> お考えになるのは任意ですが、日本軍が戦わなければ、中国はロシア当たりの属国になっていたかも知れませんね。

 可能性は否定しません。

> >義和団事件に対する出兵ついては侵略とは言えないと(勉強不足のためもあるかもしれませんが、いまのところは)考えておりますが、この事件の事後処理に基づく駐留軍についても、日本が中国大陸に権益を得た後は、その権益を守る役割を持ったので、侵略軍になったと考えております。

> 権益があるから侵略だ、という判断基準は、権益を罪悪視する独特の思想によるものでしょう。

 その思想に普遍性があるからこそ、たてまえではあったかもしれませんが、不戦条約、九か国条約は正論であると認識されていたため、提案され、成立したのではないでしょうか? (本音は、植民地分割のために武力で競争するのに疲れていた、などでしょう。) 武力による権益ではなく、経済力によって勝負しましょうという時代へ変わりつつあったのだと思います。

> また、かかる判断からすれば、米国のハル・ノートなども、まことに正当な要求であり、それに従わない日本が「軍国主義の、悪の帝国である」というような話になるわけでしょう。

 御推察のとおり、「ハル・ノートなども、まことに正当な要求であ」ると考えております。

> 権益は、どの国も関係していますし、当の中国自身が、権益を理由に行動しているわけですよ。

 「当の中国自身が、権益を理由に行動している」具体例を示していただけませんか?

> 満州は、中国固有の領土では少なくともなかったわけですし、「権益」を度外視して大陸で活動した国など、中国を含めて、どこにもなかった。

 「どこにもなかった」としても、日本を含む列強が武力で「権益」を得、維持したことは、国家または共同体や住民の権利を武力で侵害したのだから、侵略行為でしょう。
 また、前回わたしが示した「侵略」の定義には不備がありました。固有の領土でなくても、(侵略者でない)住民の自決により、ある国なり(国家の体をなしていないとしても)共同体なりに属することを選択した場合や、威嚇などによらない平和的な領土の交換を行った場合は、それらによって国家なり共同体なりの所有となった領土・領域を武力によって守ることは侵略ではないと、私は考えております。
(また蛇足ですが、軍隊が公海などを無害通行する場合や、南極のような無人かつ無所有の地を先陣あらそいするような戦争も、侵略とは言えないと思います。既得権の侵害がありませんから。)
 そして、東三省(満州)が国民政府に合流したのは、軍閥のリーダーの判断ではありますが、抗日意識を持つ住民の民意の影響も受けてのものと言って良いのではありませんか? また、東三省への漢人の移住を許可したのは清朝なので、漢人の移住は侵略でも何でもありません。満州族はおおむね漢化していたので、元のモンゴル族のように返るところはなかったという見解を、ある中国史の本で読んだこともあります。

> 私は、法律がどうこうというより、むしろ兼松さんのルールに則って日本が行動していたなら、今頃日本という国は存在していなかったのではないかと思います。中国も、朝鮮も、です。ロシア当たりの植民地にでも、なっていたのではないでしょうか?。

 他の列強がロシアの勢力拡大を許さなかったと思いますし、ロシアは弱体化していたのではないですか?

> >  我慢する必要はありません。現代なら退避勧告が出るような状況なのだから、中国から出ていけばよかったというのが私の考えです。

...略...

> テロの要求を聞けば、恐怖に直面しなくてもよくなりますよ、という話ですね。ですから私は、「反文明的」、と最初にこの問題を評したのですが、要するに、そういう「暴力の言いなりになる」ことが、兼松さんの結論ですか。

 これについては、前の方で述べたように、虐殺するような誤った行動をする人がいるから、それを口実に正しい要求に応じないというのは誤っていると思います。

> >  そして、結局、敗戦で出ていくことになったのですから、後戻りはできたはずです。

> 敗戦で出て行く、ではなくて、敗戦後に、どんな虐殺があったのか、ご存知の上でそういうことを言われるのですか。やはり、驚くべき非人道的意見だと思います。

 そういう意味ではなく、日本本土という帰る場所があったという意味で後戻りはできたはずですと述べました。
 旧満州の在留邦人がソ連軍によって殺傷されたことは知っておりますし、無差別虐殺は非難します。しかも、ソ連は日本に侵略されていたわけではありませんから、中国人の場合のように誤った報復とも言えませんので、情状酌量の余地もありません。