34808 返信 Re:靖国神社に中国人犠牲者を祀る URL 武蔵の一住民 2005/05/02 21:41
人名の間違いと他の歴史評価はさておき、1点ちょっと…


> しかし日本の戦後の占領軍に対する好意を見ると、日本の良き伝統が生きていると思えます。
> つまり負けてしまえば、敵も味方も無い、ということです。

これは、相手がアメリカだからというのが大きかったのではないかと…

すでに戦前の日本において、近代欧米文明と英語は多くの局面に浸透して
いましたから、いざ開戦となっても、それらへの潜在的な憧憬はなかなか
消えるものでもないでしょう。
敗戦後の日本で占領軍の統治がわりとうまくいったのも、戦争で圧倒的な
力の差を見せつけられたということだけではなく、戦前から続く近代欧米の
代表国の一つとしてのアメリカへの憧憬が、日本社会に根強くあったことにも
起因するものと思われます。
津田左右吉なんかも、中国文化は日本社会には皮相的な影響しか及ぼさな
かったが、近代欧米文化は国民生活に深く根付いた、と指摘し、日本は東洋
文明の一員などではない、と主張していました。
もっとも、私は津田の歴史認識には全面的には賛同しませんが…


こうした見解は、山室武徳「大日本帝国の崩壊」などでも述べられていますが、
同論考には、日本と中国や韓国との戦後関係について、以下のような興味深い
指摘もなされてます。

戦争の記憶は、今日の国際関係をも強く拘束している。
アメリカは軍国主義日本を打ち負かし、自らの指導で
戦後日本の骨格を作ったと自負している。そして、非
西欧国家でも武力で屈服させれば容易に民主主義を
根づかせられるという、実は日本でしか味わえなかった
甘美な記憶が、その後のアジア政策に強い影響を及ぼした
といえるだろう。他方、中国や韓国は、日本帝国主義の
敗北と崩壊によって今日の祖国が生れたという建国史を
持っているのだが、そこには日本に軍事的に勝利したと
いう栄光が伴っていない。いつの間にか経済大国として
復活した日本に対して、半世紀以上たっても戦争責任の
糾明を続ける中国・韓国と、これに同調することのない
アメリカとの対応の違いは、こうした歴史的な記憶の差
によるところが大きいのではないか。

なるほど、と頷かされる指摘ではありますが、救いがないなあ、とも思います。
これでは、日本側がいかに「真摯な反省・謝罪」をしようとも、中国人(主に
漢民族ですが)・朝鮮人・日本人のアイデンティティが消滅するか、中国や
統一朝鮮が日本を支配しない限り、日本が赦されることはないでしょう。

まあそれはそれで仕方のないことだと割り切った上で付き合っていくしかない
のかもしれませんが、人文・社会科学の分野での共同研究の推進とその経過の
国民への広報、日本と中国・韓国とがいかに経済的な結びつきが深いかという
ことについての各国政府による国民への広報など、努力して改善できる点は
少なくないようにも思います。


本題の、靖国神社に中国人犠牲者を祀る、ということについてですが、
靖国神社の性格からして、これは難しいのではないかと…