35004 返信 旧宗主国に対する憎しみ URL 小林 哲夫 2005/05/11 06:57
Youさん  こんにちは 
前回のYouさんのアイルランドに関する質問に答えます。

私が、植民地主義というのは、未開民族を文明化するという目的がありましたから、ある段階で独立を認めれば、憎しみが残ることは無い、そのいい例がインドだと書きました。

それに比べて、日本は朝鮮、満州という既に文明国であった地を支配したものであり、その支配の維持に暴力を使ったものだから、最初から無理があったと書きました。

それに対してYouさんから、「アイルランドのイギリスへの憎しみをどう説明するのか?」と質問があり、これはいい所を突かれたと感じ、しばらく考えました。

その結果「アイルランドは植民地にされたのではなく、併合されたのだ」という点に問題があると気がつきました。

当時のアイルランドは勿論未開ではありませんから、これを文明化するという大義名分はありませんでしたので、「併合」という形を取りました。

異民族を異民族として扱わず、「平等を建前としながら、実質支配した」という点に憎しみの原因があると思います。

これが異民族の自尊心を深く傷つけて、傷跡が長く残る原因となりました。
ここに民族問題の自覚の重要性がある、と思います。

日本人にはこの相手国の「民族の誇り」という感情が理解できないので、現在の朝鮮問題についても、わけがわからん、という気持ちのようです。
中国とは戦争をして、何百万人という人を殺したから、恨まれるのは当然なところがあるが、朝鮮とは戦争をしたのでは無く、むしろ一緒に戦った仲間なのに、何故これほど憎まれるのか解らない、という気持ちではないでしょうか?

朝鮮人の憎しみの原因は、植民地にしたのではなく、併合した、という点にあると思います。
これは形式的な違いと言うよりは、むしろ日本人の心の中の問題です。

いろいろいい事もしたのにそれを朝鮮は認めてくれない、とウヨクは良く文句を言いますが、この「いい事をした」という点が一層の憎しみの原因だと言うことが理解できないのが日本人です。

「朝鮮は植民地にしたのではなく、併合したのであって、様々な施策をもって日本人と平等な扱いをした」ということをとくとくと自慢するウヨクが多いのですが、これも日本人の異民族理解の欠陥の問題です。

「善意をもって付き合ったことが、却って憎しみの原因になる」という現象を知らない日本人が多すぎます。

異民族との接触の経験を持たない日本人は、決定的に異民族について無知で、今後の国際社会での行動には、この自覚が必要だと思われます。

しかし実際にはそれは無理、ということも感じる昨今です。