35197 | 返信 | アヘン戦争について | URL | 小林 哲夫 | 2005/05/20 09:25 | |
うちはだいこさんの柔軟な思考を誘うために、ちょっと余談を挟みます。 アヘン戦争はけしからんアジア侵略戦争だと言う見方があります。 日本はアヘン戦争の二の舞を見ないために、アジアに侵略しました。 この時に問題になった「アヘン」という商品について考えて見ます。 アヘンは現在麻薬と言われて、厳しく禁止されていますので、英国の行為は国が麻薬販売を戦争を以って行なった犯罪だ、と見做されています。 しかし歴史を理解するためには、あの当時アヘンはどのような性質の商品だったかを知る必要が有ります。 アヘンと言う商品を例えば「たばこ」と置き換えて見たらどうなるでしょうか? 現在たばこは健康に害があることを否定する人はいませんが、それを作り売っている人を犯罪者と考える人は居ません。 たばこ販売を権力で禁止したら、ちょっと行き過ぎと感じないでしょうか? 当時のアヘンが、現在のたばこのような商品と考えたら、アヘン戦争の犯罪性はちょっと違ったものにならないでしょうか? 当時の英国国内でアヘンは禁止されていませんでした。 シャーロックホームズを読むと、一件落着のあとアヘンを吸って休息するホームズの描写があります。(1900年ごろのこと) ワイルドはアヘンを「人間が発明したものの内での最高の物だ!」と礼賛しています。 禁酒法でアルコールを禁止したり、モルモン教ではコーヒーを禁止したり、人間は精神に影響を及ぼす商品を禁止したり、礼賛したりして来ています。 アヘンもそのうちの一つでした。 こういう風に考えると英国が、中国の一方的アヘン焼却を怒って、戦争をしかけた気持ちが少しは解らないでしょうか? さて うちはだいこさんに言いたいのは次のことです。 上のようなアヘン論を私が書いたら、これを「アヘン戦争肯定論」だと読みますか? 誰が今更アヘン戦争を肯定するのでしょうか? 私の意図は歴史を複眼的に見ようという提案なのですが、歴史の常識の別の面に目を向けると、途端にその一面だけしか見えなくなる人が多いことを問題にしている、ということが理解いただけないでしょうか? 上の論をアヘン戦争肯定論と一面的に見るような歴史認識を卒業して欲しいと切望しています。 |
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