35288 | 返信 | Re:中国は防衛的? | URL | スクイボン | 2005/05/26 19:45 | |
> 馬は騎馬民族の専有物ではありません。農耕と交通手段として、農耕民族にとっても馬は必需品でした。軍隊ともなればなおさらです。 無論です。が、農耕民族の騎兵部隊は数が少なく、戦術的にも一般に遊牧民のそれに大きく劣っていました。一つの例としてですが、日本の騎兵の歴史を調べられる事をお勧めします。農耕民族日本人が騎兵をまともに運用したのは後にも先にも日露戦争前後のみです。 大体、農耕民と遊牧民の戦闘力の差は、数十万の満州族が億の漢族を征服した事例を見ても明らかじゃないですか。 農耕民が遊牧民の侵略を阻止するには騎兵の機動力と打撃力を無力化する地形的要素が不可欠であり(何故中国が度々南北に分裂したか、北宋があっさり滅んでも何故南宋がしばらく生き延びたのか、曹操が何故赤壁で負けたのか、調べてみてください)、そうした要素が無い中国人、特に”中原”の人々の遊牧民への対抗策は、地形を人為的に改造する事。即ち万里の長城を築く事のみだったんです。 > 騎馬遊牧民が馬を手にしたのは、少なくともモンゴルが中国を席巻するより遙か以前のことです。騎馬遊牧民と農耕民の確執も、長い歴史があります。モンゴル人は、別に短期間で突然戦闘的になったわけではありません。同じモンゴル系の遊牧民国家であった遼は、宋と金に挟み撃ちにされて簡単に滅んでしまいました。 遊牧民が戦闘的だったのはモンゴル人の台頭より遥か以前からです。遊牧民が長い年月をかけて戦闘的なモンゴル人になっていったのではなく、初めから戦闘的な騎馬民族の中で際立って強力だったのがモンゴル人だったというだけの話です。 世界最古の遊牧民の一つ、スキタイ人がどのような人々だったのか、これも調べてみる事をお勧めします。ついでに北米のネイティブアメリカンと白人の抗争についてもね。 > 60年前の日本軍が、他国と比べて高い戦闘力と機動力をもっていたとは必ずし言えませんし(特に機動力は劣っていた)、総合的に見て、他より高い軍事技術を持っていたわけでもありません。また日本の軍事力は第二次大戦時に突然構築されたわけでもなく、明治以来の長い歴史の中で拡大していったものです。 60年という”短期間”で太平洋戦争を引き起こしましたね。それに欧米を比較対象にしても仕方が無いでしょう。日中、日韓だとどうです? 日本の軍事技術の突出振りは明らかでしょう。 > > また、モンゴルは短期間に勢力を急拡大させた変わりに、崩壊するのも早かった。遼もそうですし、満洲族の金や清も同じですが、彼らの軍隊は、天下を取るまでは猛烈に強いのですが、ひとたび天下を取ってしまうと、まるで弱い軍隊に変わってしまいます。 まさに、民族が短期間で変質する好例ですね。戦闘的な方へも非戦闘的な方へも、民族は環境や技術によって簡単にブレてしまうと言う事です。今回話題にしている「中国人は防衛的か否か」についても同じことが言えると私は主張してます。 > 見なす保障もありません。 ま、それはね。でも軍事や外交って、常に最悪を考えておくもんでしょ? > > だって、現実に南西諸島が要塞化されれば、台湾海峡は射程距離に入ってしまうわけですから。 > > 現状の海軍力・空軍力は中国より日本の方が遙かに上です。制海権も制空権も獲得できないで、どうやって南西諸島を占領できるのか、仮にできたとしてどうやって補給が行えるのか、補給がなくてどうやって要塞化するのか、といったことを考えると、ほとんど絵空事の世界であるように感じられます。 そのとうり。そして中国の侵略を絵空事にしているのが日本の軍事力ですな。 ただ、可能であってもやらないか、可能であればやるかもしれないかを考えるのは無益じゃないと思いますよ。少なくとも日本の軍事・外交戦略を考える上では重要です。 |
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