35680 | 返信 | Re:単一民族論 | URL | inti-sol | 2005/06/24 21:58 | |
小林さん > 人種の概念と混同しては話がさっぱり通じなくなります。 > 現在日本国籍のアイヌ人は人種的には日本人で無いかもしれませんが民族的には日本人で問題ないと思います。 人種という言葉が混乱しているのは小林さんのようです。人種というのは、生物学的な特徴で人類を分類したものです。通常、人類はネグロイド(黒人)・コーカソイド(白人)・モンゴロイド(黄色人種)の3つの人種に区分されます。そして、日本人(大和民族)もアイヌ人もモンゴロイドであることは明白ですから、人種的には両者は同じです。 一方、民族の定義はいろいろあり、議論の余地もありますが、岩波国語辞典の説明では「人種的・地域的起源が同一であり(または同一であると信じ)、言語・宗教などの文化的伝統と、歴史的な運命を共有する人間の集団」となっています。文化的伝統と歴史の共有性(あるいはそのような共同意識)というのは、どの定義でもだいたいにおいて一致する見解だと思われます。 つまり、今現在日本人と同じような服装、生活スタイルで日本語を話しているから日本人(日本民族)だ、などという意見は問題にもならないのです。 そういうことを言い出せば、米国の黒人、日系人、あるいは先住民はどうでしょう。現在では彼らの母語は英語ですし、生活スタイルも白人とほとんど区別がなくなっています。二世以降の日系人で、畳の家に住んで箸で和食を食べることを日常にしている、などという人は、天然記念物並の頻度でしか存在しないでしょう。米国において、二世以降の世代でも英語以外の母語を維持している集団は、ヒスパニック系しかないし、それすらも近年は英語化が進行しつつあるようです。 では、米国にはヒスパニック系以外には少数民族はいないのでしょうか。日系人も黒人も先住民も、ベトナム系も韓国系もイタリア系もフィリピン系も(以下略)みんな、WASPと同じ「アメリカ民族」なのでしょうか。 現在においては、アイヌ人も沖縄人も在日韓国・朝鮮人も、日本語を母語とし、食生活の嗜好を除けばほぼ日本人(大和民族)と同様の生活スタイルになっています。しかし、彼らのもつルーツ、文化的伝統や歴史的運命は大和民族とは異なります。従って、彼らは大和民族とは別の民族なのです。 > 日本列島ということで北海道を含ませたければ、少数民族を含んだ「単一民族に近いもの」と言えばよいのではないでしょうか? > 私は純粋100%を主張しているのではありませんから・・・・。 そういうことを言い出せば、中国も、漢民族が人口比で9割以上を占めますから、「単一民族に近いもの」ということになるでしょう。しかし、現実には中国を単一民族国家に近いと考える人はいません。 > 大多数の日本人は歴史を通じて、「言葉の通じない異民族を自分の周囲に意識しないで生活することが出来た」ということが日本歴史の最大の特徴だと思います。 それは、単に日本の歴史の大半において、人の移動が限られていたからに過ぎないでしょう。沖縄「弁」は、日本では日本語の「方言」として扱われることが多いですが、言語学の世界では日本語とは別の言語と見なされています。 しかし、ことは沖縄の言葉に限りません。私は学生時代に北海道まで青春18切符で各駅停車を乗り継いでいったことがありますが、盛岡駅で列車を乗り換えたとたんに、車内の言葉が外国語と同じになりました。いや、言語学の世界でも、津軽弁を日本語とは別言語とする学説はないはずですから、彼女たち(ひときわ声の大きかった行商のお姉さま方)が紛れもなく日本語のはずですが、何を言っているのか私にはほとんど一言も理解できないのです。 同様に、鹿児島の言葉も、私にはまったくわかりません。熊本の言葉もそうです。 |
||||||
![]() |