| 36050 | 返信 | 西洋コンプレックス(2) | URL | 小林 哲夫 | 2005/07/19 10:56 | |
書き込みが少なくなっているので、枯れ木も山の賑わいをひとつ。 武蔵の一住民さんには、工藤猛さんの心情をさしおきましたので、もう少し説明を追加します。 工藤猛さんがありったけの中国の悪口を書き並べているのは、西洋コンプレックスの裏返しだという私の解説が通じなかったようです。 一体工藤猛さんの西洋コンプレックスとはどういうものかという説明が必要です。 さて日本人は概ね単一民族ですから、普通の生活では異民族を意識することはありません。 異文化というのはどういうことか、ということも経験していないし、異文化が存在するということさえ、意識しないで生活できます。 しかし西洋人と話をしなければならない人、たまたま話をした人は、いや応なしに異文化を感じます。 普通の場合は、日本の中であっても、英語を使わなければいけないような気持ちになります。これがコンプレックスの始まりです。 日本人は英語が苦手ですから、話をすること自体に苦労しますので、議論をして、勝てる見込みは殆どありません。 だから仲良くなることは出来ますが、喧嘩はできません。 議論もしないのが普通です。 だから会話で異文化との違いを理解するということは中々ありません。 要するに日本人は、西洋人とちゃんと話が出来ない、という劣等感があります。 話をしたことがないから、西洋というものを本当には解っていないのではないか?という不安が付きまといます。 高校の英語教師が外人に学校に来てもらっては困る気持ちです。 日本人全体が英語教師の劣等感を持っているといえます。 海外旅行の経験者は莫大に増加していますが、現地の人と話をしたという経験をもつ日本人は物凄い少数です。 外国人と意見交換のために海外旅行をする人(クマさんのような人)は、もっと少ないのが、実際です。 さてここで政治、思想、哲学を語る日本人(工藤猛さんのような人)の問題です。 この方面での西洋の影響は莫大なものがあります。 それは殆どが読書によって、学んだものです。 読書によって得た西洋思想が、本物かどうかの問題です。 西洋を体感したことの無い人にはここに物凄い不安があります。 自分の体感で実証できないからです。 例えば工藤猛さんにとっては、マルクスの問題が大きかったと想像できます。 もう見栄を張る必要が無くなった友人と「資本論」の話をして笑い合うのですが、実は若い頃読まなければならいと思って読んだけれど、全くちんぷんかんぷんだったというのが正直なところです。 日本人の殆どが資本論など解らないのです。 以前この掲示板で梶村太一郎さんと「ヤスパースの書いた集団の罪」について議論したことがあるのですが、ドイツに長く住んでいて、ドイツ語翻訳をしている人でも、私にわかるようにヤスパースを説明できない状態でした。 法律的罪とか道徳的罪とか形而上の罪とか、罪はないが責任はある、などという話は、じつは日本人には解らないのです。 日本のインテリは本当は解らない西洋思想を解った振りをしなければならないという 自分は解った振りをしているのだと解っている人は救われますが、解ってもいないのに解っていると思い込んでいる人の劣等感は物凄いものがあると想像できます。 西洋を自分は解っているのか?解っているとしたら、日本はその何処に位置するのか?というのが、日本人インテリの悩みであり、病気だと見ていますが、如何でしょうか? 自分は西洋がわかっている、西洋の一員だ、ということを確認するために、非西洋としての中国をことさらに軽蔑する必要がある、という心理だと思うのですが、如何でしょうか? |
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