36511 | 返信 | 各党マニフェスト 総選挙控え、「政策論争」あおるが… 対米追随・改革推進で違いなし | URL | 森永和彦 | 2005/08/29 08:30 | |
<p align="center">![]() 総選挙控え、「政策論争」あおるが… 対米追随・改革推進で違いなし 労働新聞 2005年8月25日号・2面 解説 総選挙が迫っている。各党はそれぞれ政権公約(マニフェスト)を掲げ、財界の別働隊である「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)も「本格的な政権選択選挙とすべき」とあおり立てている。だが、与野党は対米追随と改革推進で違いはなく、国民はこれらの党に期待することはできない。主な分野について、各党のマニフェストを比較する。 外交・安全保障 対米追随、アジア敵視あおる与野党 わが国の進路をめぐる問題は、今選挙の重大な争点である。 2月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、中国を事実上の仮想敵とする「共通戦略目標」で合意、小泉政権は対米追随の政治軍事大国の道を進んでいる。靖国問題などによるアジア外交の行き詰まりと併せ、国民各層に危機感が広がっている。 こうした戦争への道を選択した自民・公明の与党が「揺るぎない日米同盟を基軸」(自民党)とし、亡国的な対米追随の継続を表明するのは当然ではある。 民主党はどうか。民主党は「アジア重視」「米国にもものを言う」などと、与党との違いをアピールしている。 だが、実態は「日米同盟は、アジア・太平洋地域の安定の要」とするなど、自民党となんら変わらない。ゆえに、民主党が「イラクからの年内撤退」や「日米地位協定の改定」を公約にしたとしても、信用できないことは明白だ。現に民主党は、ミサイル防衛(MD)構想は「推進」するというのである。 また、「アジア重視」も欺まん的だ。朝鮮民主主義人民共和国への「制裁発動を視野に入れる」という点で自民党と同じであり、核・拉致問題の「国連安保理での解決」や「脱北者支援」など、米国が喜ぶ公約が列挙されている。 さらに、民主党は「尖閣諸島・竹島を守るため」として、「海洋権益確保法」の制定をめざすとしている。これら、アジアとの緊張を高める公約について、右翼マスコミ・産経新聞が「自民党より一歩進んでいる」と絶賛する有り様だ。 共産党も、「台湾問題の平和解決」を明記し、中国の内政に干渉している。 「民主は日米関係軽視」(公明新聞)などという「非難」の応酬は、与野党が対米追随を競い合っていることのあらわれにすぎない。 郵政民営化 民主党の「反対」はデタラメ 郵政民営化は、米国とわが国金融資本のためのもので、実行されれば郵貯・簡保は食い物にされ、とりわけ地方の郵便サービスは切り捨てられる。まさに亡国的なものであり、広範な国民の反発を背景に、参議院で民営化法案が否決されたのは当然である。 ゆえに、民営化法案の成立を公約の第1に掲げる自民党の売国性はいうまでもないが、危険な役割を演じているのは民主党である。 民主党は、与党の郵政民営化法案に反対するなど、「民営化反対」であるかのように振る舞っている。だが、これはペテンである。 民主党は、マニフェストで「郵貯・簡保の段階的縮小」を掲げ、将来的には「あらゆる選択肢を検討する」という。郵便サービスについても、「民間事業者の参入」を主張する。これは、民営化とどう違うのか。民主党が言うように、「郵貯・簡保の縮小」で「公的部門に流れている国民の資金を民間部門に」流すようにすることこそ、米国が盛んに要求していることなのである。 民主党が「郵政だけではない」と盛んに強調するのは、この連中が、実は与党と同じく民営化賛成派であることを隠すためのものである。 社会保障・税制 増税公言する自民・民主・公明 自民・公明は「安易な増税はしない」、民主も「3年間は増税せず」などと、大衆増税に反対であるあるかのようなポーズを取っている。だが、これはまやかしである。 自民・公明の与党は、2007年までに消費税増税を含む税制改革を行うことを明記している。これでどうして、「(増税提言をした)政府税調を糾弾する」(武部・自民党幹事長)などと言えるのか。 民主党にいたっては、年金目的消費税の導入に加え、各種控除の廃止など、10兆円規模の大増税を明記しているほどである。 こうした増税案のオンパレードについて、読売新聞は「消費税率の引き上げ問題について、自民、民主両党に、共通の土俵ができた」とほめたたえたほどだ。 膨大な財政赤字は、大企業のための大規模開発などに資金を注ぎ込んできたためで、歴代政府の責任である。この間も、社会保障切り捨てなど国民犠牲が進む一方、大企業には種々の減税で恩恵が与えられてきた。財政再建をいうなら、潤った多国籍大企業に負担させるべきである。共産党は「増税に反対」と言いつつ、この点を明確にしないことで、支配層に恭順の意を示しているのだ。 国民各層は既成の議会制党を当てにせず、要求を掲げて大衆行動を闘うと同時に、新たな議会勢力を形成するために闘おう。 Copyright(C) Japan Labor Party 1996-2005 |
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