36552 | 返信 | 徴兵制と国民性 | URL | 小林 哲夫 | 2005/08/30 12:32 | |
工藤猛さんは未だに自分が平和民族の一員だということの自覚が無いようなので、説得を続けます。 西洋は軍人崇拝社会 スタンダールが「赤と黒」で赤(軍人)が如何に女性にもてるかということを書いています。 もともと中世騎士道で有名なトーナメントで、騎士が女性のあこがれの対象であった様子からも西洋が軍人重視社会だったことがわかります。 日本では宮本武蔵がかっこよい武士の最後です。 西洋で徴兵制を取る国が少ないのは、このような文化伝統があって、志願兵に不足しないからです。 徴兵制がある国は国防意識が高いと日本人は誤解しているかもしれませんが、実は逆なのです。 国民の国防意識が高い国は、いやいや兵隊を強制的に集める徴兵制は不要で、戦意の高い志願兵制の方を採用します。 その典型がイギリスで、徴兵制を取るのは1939年9月戦争勃発の時です。そして戦争が終わると徴兵制は廃止されます。 それに比べて日本のような平和民族の場合は、徴兵制度がなければ、戦争は出来ない国なのです。 「徴兵忌避制度」 徴兵制を導入すると同時に「徴兵忌避制度」も導入するのが普通です。 戦争が苦手な人間を兵隊にするのは、軍隊全体の士気に関わるからです。 だからイギリスのように国防意識の高い国民性の国では、徴兵忌避制度は規則がゆるやかなもので充分です。 戦争をしたくない人間が多い国では、忌避制度をゆるくすると、兵士のなり手がいなくなることを恐れて規則を厳しくします。 だからイギリスは緩やかで、日本は忌避制度が無かった、という違いに現れます。 イギリスでは大戦中に300万人を兵士に動員していますが、忌避の申請があったのは約6万人と少数でした。内約2万人は却下されましたが、約4万人は認められました。 現在徴兵拒否を認めているのは、ドイツ、ベルギーなど、認めていないのはフランス、イタリーなどです。 この二つのグループを比べて、どちらが厭戦的国民性を持っているかがわかります。 フランスのように個人の権利を尊重する国で、なぜ忌避が認められないのか、不思議な気がするかもしれませんが、徴兵忌避制度は権利意識から生まれるのではなく、厭戦的国民性と国防の必要性から出来るのだということです。 イギリスやアメリカの国民に国防意識が高いのは、そういう伝統があるからで、軍隊を志願しないような青年は女性から馬鹿にされる文化があるからです。 西洋ではいまでも所謂体育会系がもてて、知的インテリはあまりもてないことは良く知られています。 平和民族日本 戦前の日本では、軍国青年がもてて、徴兵検査に落第すると「家の恥だ!」と感じたことが知られていて、これは西洋と同じになったことがあるということです。 しかしながら日本の僻地でこういう軍国青年が見られたか?ということです。 私の知っている農村で、赤紙が来たことを喜んだ人などいませんでした。 軍国青年というのは都会のインテリの現象であって、本来の日本人のものではありません。 つまり現在ウヨクだとかサヨクだとか騒いでいる、頭の中だけで世界のことを憂いている人が、軍国主義に陥ったのです。 世界の趨勢に追いつこうとか、西洋に何か手本があるように感じた人、西洋の戦争文化に追いつかなければ日本は滅びると思った人が日本を滅ぼしたのです。 そういうことを考えない日本人は、本来厭戦的で、平和民族だったと思います。 このような平和民族である日本では、軍隊が必要であると言うことを認めるや否や、徴兵制が導入されるでしょう。 そしてその徴兵制には決して、忌避制度は認められないでしょう。 そういう事態に備えて、準備をしておかなければならにはずですが、一向にそういう気配は見えません。 それは日本のサヨクが国民性という考えにアレルギーを持っているからです。 だから私は、日本は平和民族であるということを、是非皆さんに理解して欲しいと思って、これを書いています。 |
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