36560 | 返信 | シビリアンコントロール | URL | 小林 哲夫 | 2005/08/31 08:55 | |
かつての戦争の責任は軍部の暴走にある、と言うことを否定する人は居ないでしょう。 そしてその間違いを繰り返さないためには、「シビリアンコントロール」をしっかりすればよい、と考えられていますが、これでは過去の反省が足りません。 この反省は国民自身が熱狂的に戦争を支持したことを忘れています。 国民の総意に基づいて行った戦争だったのですから、シビリアンコントロールは無効で、国民と軍部が一体となって一億玉砕の方向に進んだでしょう。 あの時は天皇の終戦への英断があったからこそあそこで止められたのであって、国民の意思など尊重していたら、日本は今頃無くなっていたかもしれません。 民衆はもともと好戦的で、世論は必ず勇ましいことを好み、新聞はこれを煽って拡販を図る、ということは過去の経験から解りきったことです。 民主主義に任せておけば必ず戦争になり、民主主義では戦争を止めることが出来ない、ということを経験したのに、今の日本人はこのことに未だに気が付いていないのでしょうか? 現在の日本の世論の右傾化を見れば、同じことを繰り返していることが明らかです。 憲法改正も、反中国感情も、靖国参拝も、世論の動きを表しているのであって、小泉首相は世論に敏感に反応しているだけなのです。 現在の日本の右傾化は大衆全体の方向転換だということに気が付いてください。 靖国問題の議論を見ていると、小泉首相を目の敵にしているサヨクが多いのですが、問題意識がお粗末過ぎます。 右傾化している大衆の考えをどうしたら方向転換できるか?という問題意識を持たなければ、小泉首相の次はもっとひどい人になるに決まっています。 この関係が解らない人ばっかりなので嫌になります。 こういう環境ではシビリアンコントロールでは戦争は止められず、却って過激な戦争になります。 その実情は911後のアメリカでもはっきり現れていて、軍人の方がむしろ穏健で抑制的という現象が現れています。 軍人は実際の戦場を知っていますから、兵士の立場に立ちがちですが、戦争の現場を知らない政治家は勇ましいことばっかり言って、必要の無い、戦争を延々と続ける結果になっています。 つまりシビリアンコントロールが平和を台無しにしています。 日本でも軍隊のことを何にも知らない小泉首相にコントロールを任せて安心できるとは到底思えません。 もともとシビリアンコントロールというのは、世論に戦争の知識が豊富な国(西洋)でしか効力を持ちません。 日本のように政治家をはじめ国民全体が戦争音痴の国ではシビリアンコントロールなど意味がありません。 日本人の戦争音痴の一例を書いて見ます。 工藤猛さんに対して、「日本が侵略されることはあり得ないから非武装で良い」と言ったら、「台湾に非武装を説く勇気があるか?」と反論がありました。 日本の非武装のことを論じている時に、台湾の非武装を持ち出すような論理の滅茶苦茶な人が戦争のことを語る資格があるでしょうか? 日本の非武装を議論している時に、台湾に非武装を説け!などと本気に考えているのでしょうか? 日本の軍備の強化を叫び、戦争を薦める人の戦争観、国防観がこの程度のお粗末なのが日本なのです。 戦争をしたいウヨクの工藤猛さんの戦争一般についての考えのデタラメさは、恐るべきものがあります。 日本の防衛と台湾の防衛を一緒くたに論ずるなどお粗末過ぎますが、これが日本人の平均値なのです。 日本のウヨクというのは、大体この程度のお粗末な防衛論で、サヨクと喧嘩したり、威張ったりしていますが、どっちもどっちというところです。 日本の防衛を論ずるならば、何処の国が、どのような理由で侵略してくる可能性があって、それに対してどのように戦うのか?という具体的な検討が必要ですが、そんなものは一切見たことがありません。 この状態は戦前よりもっとお粗末です。 戦前には曲がりなりにも仮想敵国があり、間違ったものだったとはいえ戦略に相当するものがありました。 今の工藤猛さんは、戦争についての知識がサヨク同様、皆無と言って良いでしょう。 毎日膨大な書き込みがありますが、大部分が中国、北朝鮮の悪口です。 人の悪口ばっかり言っている人のことを誰が信用するでしょうか? 日本ではウヨクもサヨクも五十歩百歩のお粗末さで、両方共に戦争論も戦略も無いのが実情です。 戦争を知らないもの同志の内輪喧嘩みたいなものです。 そういう日本には戦争は絶対に出来ません。 そういう日本は絶対に戦争をしてはいけないのです。 |
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