36704 返信 衆議院選挙 URL inti-sol 2005/09/10 17:55
残念ながら各方面の世論調査によると、自民党の優勢が伝えられているようです。
確かに、解散の時の小泉首相の記者会見の迫力には、やられたと思いました。小泉には、勝負師として、あるいは大衆の心をつかむという点では確かに非凡なものがある。

問題は、それで日本という国をどこに持っていこうとしているのか、という点です。
「一部の特権階級の既得権益より、1億2千万の国民全体の利益を」と、小泉は遊説で言ったそうです。
http://www.jimin.jp/contents/news/170827a.html
より
しかし、小泉の「改革」は本当に、1億2千万の国民全体の利益になっているのでしょうか。そうではありません。小泉が進めてきた「改革」とは、新自由主義(市場原理主義・競争原理主義)に基づくものであり、その行き着く先は、決して1億2千万の国民全体の利益ではない。国民のごく一部を占めるに過ぎない競争の勝者の利益を守るための「改革」に過ぎません。しかも、その勝者は日本人とは限らない、いわゆる「ハゲタカファンド」の類である場合もあり得ます。

彼は、公務員を指して特権階級と称しているようですが、そうであれば百凡の公務員より遙かに多くの歳費をもらっている国会議員、とりわけ内閣総理大臣こそ、特権階級の最たるものということになるでしょう。特権階級としての国会議員の高額な歳費、あるいはよくやり玉に挙げられる議員年金、これを改革するために、彼はいったいどれほどの努力を払ったのか。「国民の利益」と言うけれど、ただの1円も税金が投入されていない郵政が民営化されると、いったいどのような「国民の利益」があるのか、郵便局の職員が「公務員」という身分でなくなると、どういう「国民の利益」があるのか、まったくナゾと言う他はありません。

れっきとした民間企業である銀行が企業に貸し出す資金を減らして国債をどんどん買っているというのに、郵政が民営化されると郵便貯金や簡易保険が「役人の無駄遣い」に使われなくなるという考え方も不可解です。民間企業だからこそ、資金が回収できなくなるリスクを減らそうと考えるのは当たり前です。しかも、小泉の言う「痛みを伴う改革」によって、これからも企業の倒産や整理は数多く発生するでしょう。民間企業に資金を貸し出すリスクは、ますます増大しているのです。


新自由主義経済、市場原理主義の「先進国」は、米国です。米国の金持ちというのは、とことん金持ちです。そして、金持ちになれるのは、ごくごく一握りの人に過ぎません。ほとんどの人は金持ちになどなれないのです。貧富の差は極大です。(皮肉としか言いようがありませんが、中国も似たような状況にあるようです)
才能があって努力すれば金持ちになれる、というなら、その点に関しては公平ですが、実際は違う。努力ではなく運によって金持ち、特権階級が決まるのです。

たとえば、ブッシュはどうして大統領になれたのか。そりゃ努力はしたかもしれない。でも、米国において「大統領になりたい」という野心を抱く者は、おそらく5人や10人ではないでしょう。その中でブッシュにもっとも才能があり、もっとも努力したから大統領になったわけではない。彼がいかに努力しようと、親が大統領経験者でなかったら、大統領になることなどあり得なかったでしょう。では、父親のジョージ・ブッシュは自分の努力と才能で大統領になったのか。これまた、父親が上院議員という名門一族の出ではなかったら、大統領になることは難しかったでしょう。
3世政治家である小泉純一郎にも、似たようなことは言えます。

本当に「競争原理」なのであれば、ブッシュの子も貧しい労働者の子も、すべての親の庇護をはぎ取って、まったく同じスタートラインから出発するのでなければ公正な競争とは言えません。
しかし実際には、社会がいかに変革されようとも、そのようなことは無理なのです。ほとんどの場合、親は自分の子どもがかわいいし、可能な範囲で庇護、あるいは援助を与えようとする。それは人間として、親としての自然な感情であり、それを否定することは誰にも出来ないからです。

つまり、同一条件の下での競争など実際はあり得ないのです。100メートル走のスタートラインから走り出す人と、ゴールの30m手前から走り出す人の競争が公正であるはずがありません。そのような公正でない「競争」のごく一握りの勝者に、限りない利益を与え、圧倒的多数の「敗者」は置き去りにしようとするのが「競争原理」「新自由主義経済」です。
このような政策を日本が採るべきだとは、私は思わない。だから(それだけが理由のすべてではないが)新自由主義に基づく「改革」を呼号する小泉、そして自民党は断固として支持しない。

残念ながら、私が何を書いても自民党は勝つかも知れません。それでも、私は声を大にして叫びたい。自民党に投票するな、日本を「競争原理」至上主義の国にするな、と。