2020年12月25日
クロサカタツヤ(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授)は、武蔵大学社会学部メディア社会学科・庄司昌彦教授、静岡大学学術院情報学領域・高口鉄平准教授と共同で、「5Gイノベーションとこれからの規制緩和」に関する調査研究を、一般社団法人次世代情報通信基盤研究所において実施し、結果をまとめたホワイトペーパーをこの度公表しました。
本ホワイトペーパーは、筆者(クロサカタツヤ、庄司昌彦、高口鉄平)が以前から有していた問題意識、とりわけ5G時代の新たな通信サービスの在り方や社会における通信の位置づけについて、それぞれの知見に基づき、地方公共団体や民間企業へのヒアリングを含めた勉強会を2019年頃から開催し、検討を進めてきた内容をまとめたものです。
標準化団体である3GPPでの検討が示す通り、4Gのようにスマートフォンをはじめとした従来のユーザー端末の利用を、5Gは必ずしも想定していません。むしろ 5GC(5Gコア)がコアネットワークとして整備されるスタンドアロンネットワーク時代の5Gや、それに続くリリース16以降では、IoT デバイスによるネットワーク利用を前提としたソリューションが想定されており、生活空間のデジタルトランスフォーメーションこそが5Gの本番だといえます。
こうした中、電気通信分野の産業構造も、4Gまでの電気通信事業者をエコシステムの中心に据えたものから、消費者や市民にサービスを提供するB2C企業や自治体が主役となるものへと変化すると考えられます。本ホワイトペーパーは、こうした構造変化に関する想定を整理した上で、そうした変化によって生じる機会や検討すべき課題を、事業面と制度面の両方から検討することを目的にしています。
本ホワイトペーパーが、5G時代に新たな事業機会を模索する地方公共団体や民間企業の、検討の一助となれば幸いです。
調査概要については以下をご参照ください。
- 報告書タイトル
- ホワイトペーパー「5Gイノベーションとこれからの規制緩和」
- https://web.sfc.keio.ac.jp/~txk/research/5G-innovation-and-deregulation.pdf
- 調査主体
- 一般社団法人次世代通信基盤研究所(代表理事:クロサカタツヤ慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授)による、クロサカタツヤ、庄司昌彦(武蔵大学社会学部メディア社会学科教授)、高口鉄平(静岡大学学術院情報学領域准教授)よる共同研究
- 調査方法
- 技術・標準化、関連法制度、事業環境の文献やインタビューに基づく定性分析
本調査に関するお問い合わ先(e-mail):txk[at]sfc.keio.ac.jp
※ [at]を@にしてください。