2020年3月9日
クロサカタツヤ(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授)は、ボックスグローバル・ジャパン株式会社と共同で、 2019年9月27日~10月21日に「5Gを活用した通信キャリアとの事業に関するアンケート」を実施し、結果をまとめた調査報告書を この度公表しました。
本調査では、通信キャリアとの共同事業を通じて5Gを活用した新事業の開発を検討する主要企業を念頭に、 1)5G活用事業の開発意向、2)通信キャリアとの協業意向、3)各種規制への理解度の3点について、 各企業の意向や認識の状況を把握することを目的に実施したものです。
その結果、ICT技術を活用した事業開発に関心がある事業会社は、総じて通信キャリアとのジョイントベンチャー等の 協業意向があること、一方で通信キャリアとの協業において課せられる規制について、その存在や構造が理解しづらい ことが明らかになりました。
通信産業は今後5G普及を見据えて、B2B2Xのような事業開発のアプローチへの期待が高まるものと思われますが、 こうした取組を加速させ、イノベーションを活発化するためには、事業会社が通信産業に対する理解を深め、 より合理的な意思決定を実現できるような環境整備が、通信産業のステークホルダーに求められるといえます。
調査概要については以下をご参照ください。
- 報告書タイトル
- 「5Gを活用した通信キャリアとの事業に関するアンケート」調査報告書
- https://web.sfc.keio.ac.jp/~txk/research/200317-vox-kurosaka.pdf
- 調査主体
- 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(クロサカタツヤ特任准教授)とボックスグローバル・ジャパン株式会社(リンク)による共同調査
- 調査方法
- 全15問のアンケート調査(回答は自由記述欄を伴う選択式)
- 調査対象
- 以下の企業120社を対象として調査票を郵送により配布(産業分野の分布や事業規模の均一化に配慮し、配布先企業を選定)
-
- キャリアとの共同事業をすでに実施済みの事業者
- キャリアとの共同事業の参入を検討している事業者
- 調査期間
- 2019年9月27日~10月21日
- 回答企業
- 調査票を配布した120社のうち、以下の8業種36社より39件の調査票を回収
- 建設 (3社)、電機 (3社)、その他製造(4社)、IT (14社)、放送 (3社)、小売 (2社)、不動産 (2社)、サービス業 (5社)
- 分析手法
- 全15問の単純集計及び一部クロス集計による分析
- 調査の堅牢性
- 本調査はサンプル数が100未満であり、アンケート調査としては比較的小規模なものである。しかしながら、調査対象の産業分野の分布や事業規模の均一化などに配慮し、また回答に際してできるだけバイアスのかからない配布・回収手法を検討した結果、単純集計結果に関しては一定の信頼性を得たものとして評価できる。
- 一方、クロス集計に関しては、サンプル数の少なさゆえに、比率の不均衡が生じる。また関連して、クロス集計によるセグメントの詳細化を細かく行った場合、回答の偏りが大きい設問ではセグメント間の差が生じにくい等の傾向が見られた。従って、クロス集計に基づく分析については将来的により大規模な調査が期待されるところ、取組の検討に向けては参考の位置づけとすることが望ましい。
本調査に関するお問い合わ先(e-mail):txk[at]sfc.keio.ac.jp
※ [at]を@にしてください。