著書―『慶應の政治学 日本政治』

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 慶應義塾大学法学部編『慶應の政治学 日本政治』(慶應義塾大学出版会、2008年)
 慶應義塾創立150周年記念出版として、法学部出身の研究者による論文集が刊行されました。
 この中に「政治指導の制度化―その歴史的形成と展開―」と題した論文を寄稿させていただきました。日本政治の巻には、他に市川太一、上野利三、小川原正道、笠原英彦、佐々木信夫、田中直樹、玉井清、中村勝範、増山幹高の諸先生が書かれています。
 拙稿ですが、以前から、近代日本における政治指導がどのように形作られ、運用されていったのかを長いスパンで考えてみたいという気持ちがあり、明治二(一八六九)年の太政官制から昭和七(一九三二)年の政党内閣期終焉まで、六〇年あまりの展開を追いました。目次は以下のとおりです。
  はじめに
  一 統治構造の創設と政治指導の制度化―一八六九~九八
   1 太政官期における政治指導の問題点
   2 統治構造の創設と政治指導の制度化―内閣職権と各省官制
   3 明治憲法施行と議会開設による制度化の変容
  二 政党内閣の登場と変容する制度化―一八九八~一九二四
   1 政党内閣の創出と政党主体による政治指導の模索
   2 桂園時代という安定の中の変化
   3 原内閣と政党政治下の政治指導
  三 政党内閣の定着と制度化の解釈運用―一九二四~三一
   1 加藤高明内閣における政治指導の構築
   2 田中内閣における政治指導の再編
   3 浜口・第二次若槻内閣における政治指導の相克
  おわりに
 これに続いて、現在、政党内閣期の政治と行政の関係を俯瞰する原稿を書いていますが(今日、仮脱稿しました)、長いスパンで捉えなおすことで、新たな理解が見えてきたように感じています。
 新しい年には、どんな見通しが見えてくるのか、楽しみです。