『原敬ー「平民宰相」の虚像と実像」(中央公論新社、2021年)を刊行しました。
早いもので、前著『近代日本の官僚』の刊行から8年が経ちました。その間、ボストンで1年、台湾で半年を過ごしたことで日本研究の国際化に目覚め、村井良太さんにお声がけいただき、瀧井一博さんと三人四脚で『日本政治史』を出版したり、選挙区研究の面白さにとりつかれて多分野のみなさんとの共同研究に取り組み、オーラルヒストリーの方法を模索して社会学のみなさんと交流したりと、あちこちに手を広げてきました。それはとても楽しい日々でした。
ただ、どうしてもかたちにしたい仕事がずっと頭の隅にありました。原敬の評伝です。2016年秋に着手して、本来であれば「初の本格的政党内閣」創設100年にあたる2018年に刊行する予定でした。ですが、すぐにその見通しが甘かったことに気付かされました。対象のあまりの大きさに思うようには進まず、気が付けば5年が過ぎていました。なんとか没後100年に間に合うことができたのは、救いでした。
刊行にいたるまで、本当に多くの方にお世話になりました。研究をするというのは、人との縁が繋がり、広がることなのだと改めて感じました。ありがとうございました。本書が多くの方に届き、読まれることを願ってやみません。
コメントを残す