『日本経済新聞』6月2日付け朝刊「経済教室」に選挙区制度の歴史的展開と課題について寄稿しました。
折しも衆議院議員選挙区の区割り改定法案が衆議院を通過した翌日、6月2日に掲載していただきました。これまで明治以降の選挙区の歴史的展開を検討するなかで考えてきたこと、とりわけ、地理的な連続性が持つ制度的な側面と、行政区との関係について論じました。これまで通り「選挙区は変わらないもの」とするのか、都市部においては複数の基礎自治体を分割してでも「選挙区は変わるもの」とするのか。後者のばあい、「選挙区が変わる」ことと同時に、変わらないものとして国民主権のありようを問い直す必要があると感じています。
上田健介・近畿大学教授のご寄稿とセットとなるものです(上田先生の原稿は「選挙区はどうあるべきか(下)」として6月5日に掲載)。
この原稿にはおかげさまでたくさんの反応をいただきました。政治学の世界ではもはやあり得ないものとなっている複数人区について敢えて提示してみたことの意義があったように感じています。それにしても、政治学、歴史学のみならず、憲法学、経済学の隔たりがきわめて大きいことを改めて感じました。もっと分野間の対話を進めて行きたいと思います。
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