御厨貴『表象の戦後人物誌』(千倉書房、2008年)
著者の御厨先生から頂きました。ありがとうございます。
徳川義寛、徳富蘇峰、卜部亮吾、富田朝彦、笹川良一、石原廣一郎、渡邉恒雄、庄司薫、六人の政治家(岸信介、河野一郎、福田赳夫、後藤田正晴、田中角栄、中曽根康弘)、危機の宰相(池田勇人、田村敏雄、下村治)、石原信雄、そして平成くんこと御厨ゼミ生という「人」から戦後が写し出されていきます。先日、麻生首相が八重洲ブックセンターで購入した本だとは、知る人ぞ知る。
これらが書かれていたころ、助手として先生のお話をしばしば伺う環境にあったので、そのころの記憶と重ねながら読みました(庄司薫を知ったのは、まさにこの文章だったなぁ、などなど)。
それにしても、一冊一冊を読んでいた時との感覚の違いは、なんなのだろう。簡単に見えながら難しい、人を介する視座への、してやられた感なのだろうか。
五百旗頭眞『歴史としての現代日本』(千倉書房、2008年)
同時に、同じ版元、同じ編集者の手で刊行された、こちらは書評集成。当の編集者殿から頂きました。ありがとうございます。
人を介して、書評を介して時代を照射した2冊の本を目の前にして、その企画意図にも「してやられた」感を抱く。偶然やアクシデントにどう対応出来るかは、日々の蓄積と、一貫した視点であるのだな、と。