頂き物―『メディア研究とジャーナリズム21世紀の課題』『中国近代外交の胎動』

 51Hi1MnO6gL__SS500_.jpg 津金澤・武市・渡辺編『メディア研究とジャーナリズム21世紀の課題』(ミネルヴァ書房、2009年)
 執筆者のおひとり、飯塚浩一先生からお送りいただきました。ありがとうございます。研究史、研究法、これからの課題の3部構成でまとめられており、とても有用です。ちょうど昨日のゼミで佐藤卓己先生の『輿論と世論』を題材に議論したところですので、さらなる研究の入口として、ゼミ生にも奨めたいと思います。
 以下、出版社サイトから概要と目次を挙げておきます。
<概要>
 メディア学はどこへ行くのか。グローバル化のなかでメディアとジャーナリズムを捉え、国際的に活躍する研究者が21世紀を展望する。
 学問としての意識化はここ100年ばかりのことだが、メディアに対する着目にはギリシャ神話から2000年以上の歴史がある。本巻では世界的視点から研究を振りかえりながら、メディアと現代社会の課題にも挑戦する。
<目次>
 序 メディアとメディア学者は21世紀とどう向きあうか
 第1部 研究史
  第1章 メディア・コミュニケーション研究の歴史―権田保之助とR・パークを手がかりに
  第2章 日本の新聞学・メディア研究
  第3章 英国メディア研究の新傾向と批判理論―ウェストミンスター学派を中心に
  第4章 アメリカにおけるメディア・ジャーナリズム教育
  第5章 メディア・リテラシーの思想と系譜
 第2部 研究法
  第6章 オーディエンス研究の理論と実際
  第7章 社会学とコミュニケーション研究
  第8章 言語学とコミュニケーション研究
  第9章 カルチュラル・スタディーズ
  第10章 ジェンダーとメディア
 第3部 メディアとジャーナリズム、これからの課題
  第11章 メディア・ジャーナリズム教育
  第12章 テレビとこれからの社会
  第13章 情報バリアフリー社会に向けて
  第14章 生命とコミュニケーション――メディアと”生きがい″の哲学
 第4部 資料編
  メディア研究史年表
  コラム
  メディア研究と社会的価値観
  インターネット時代のジャーナリズム
  グローバル化社会とプレスの自由
 索引

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 %E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%BF%91%E4%BB%A3.jpg 岡本・川島編『中国近代外交の胎動』(東京大学出版会、2009年)
 執筆者のおひとり、五百旗頭薫先生からお送りいただきました。ありがとうございます。近年の近代中国研究の充実は、日本政治外交研究にも大きく資するところがあります。東アジアへの現代的な関心の高さともあいまって、特に学生には興味深く感じられるテーマのようです。
 以下、出版社サイトから概要と目次を挙げておきます。
<内容紹介>
 中国外交の本質を捉えるためには,そこに内在する歴史的要素を見逃すことができない.本書は,伝統外交の文脈を踏まえた中国外交史の構築を目指し,清朝末期の「天朝」体制から中華民国期以降の「外交」関係が成立する過渡期に焦点を当て,前近代から近代への継続と断絶の諸相を描く.東アジア全体を視野に収め多角的に分析するとともに,日本史・西洋史との実り多き対話を促す奥行きを秘めた期待の書.
<目次>
 序章 中国近代外交へのまなざし(岡本隆司)
 第I部 「夷務」の時代
  第一章 清代の通商秩序と互市―清初から両次アヘン戦争へ(廖敏淑)
  第二章 日清関係の転換と日清修好条規(森田吉彦)
  第三章 隣国日本の近代化―日本の条約改正と日清関係(五百旗頭薫)
 第II部 「洋務」の時代
  第四章 在外領事像の模索―領事派遣開始前後の設置論(青山治世)
  第五章 在外公館の伝統と近代―洋務時期の在外公館とその人材(箱田恵子)
  第六章 中華帝国の近代的再編―在外華人保護論の台頭をめぐって(茂木敏夫・岡本隆司)
 第III部 「外務」の時代
  第七章 韓国の独立と清朝の外交―独立と自主のあいだ(岡本隆司)
  第八章 外務の形成―外務部の成立過程(川島 真)